5/1よりEZM値上げします

たいへん申し訳ありませんが諸般の事情で、5/1以降のご注文より、下記の通りEZMとその関連商品の価格を値上げいたします。

商品4/30までの価格
(税別)
5/1以降の価格
(税別)
EZMペア(アルミコート)128,000円138,000円
EZM片側(アルミコート)64,000円69,000円
BINOKIT-BORG基本セット248,000円258,000円
BINO-BLANCA102基本セット521,000円531,000円
誘電体コート、銀メッキコートへの変更オプションは変更ありません


値上げ前の価格で購入ご希望の方は、4/30までにご注文いただくようお願いいたします。

EZM金属パーツ入荷しました

「4月下旬以降」とアナウンスしていたEZMの金属パーツが、思っていたより少し早く入荷しました。お待たせしていたお客様へはこれから順次組み立てて出荷していきます。またこれからご注文をいただく場合も通常通り2週間以内にお届けできますので、ご注文をお待ちしています。

EZMの金属パーツ(ミラーケース)

双眼望遠鏡の調整サービス

弊社HPの「製品」ページにも案内してありますが、双眼望遠鏡の調整サービスを無償で行っています(送料のみお客様負担)。これは弊社製、他社製、自作品問わず、左右の光軸がずれて何ともならない状態になった双眼望遠鏡を、ちゃんと両目で気持ちよく見られるように調整するサービスです。

先日も一件、ご依頼主のオーナー様が中古で入手した双眼望遠鏡を調整させていただきました。

オーナー様から事前にいただいたお話によると、正立ミラーの2つのミラーボックスを接続するネジが緩んで(ミラーボックスの)ねじれ角度がずれてしまったそうです。その後試行錯誤でいろいろ調整を試みたものの左右の視野回転が大きくずれたままで、例えばオリオン大星雲を見るとそれがよく分かる状態とのことでした。

そこで双眼望遠鏡一式を送っていただき、こちらで調整することにしました。

ラベルもロゴ刻印もなかったので型式不明の鏡筒ですが、外観から察すると古いビクセン製の10センチオーバーだったので、それなりに古い双眼望遠鏡と思われます。正立ミラーは他社製、目幅調整機構付きクレードルは他社製か自作品かは不明です。

昼間の景色で調整前の状態を確認すると、なるほどひどい視野回転のずれでした。視野中央を正立ミラーのXY調整ノブで合わせると、右と左で視野回転の量が30度以上違います。これではまともに双眼視ができません。さっそく調整に取り掛かりました。

まずはじめに行ったのは正立ミラーのミラーボックスねじれ角度の調整です。

一般的な仕様の正立ミラーは「90度対空」で、このときのねじれ角度は理論上アークコサイン(1/3)≒70.53度になります。とはいってもこの角度に合わせて正確にねじるのはほぼ不可能です。そのため、別の方法を採ります。これは90度対空であることを利用した方法です。

具体的には下の写真のように、定盤の上にマグネット付きVブロックを置き、さらにVブロックに表裏の平行度が出ている仕上げプレートをマグネット吸着させて、正しく90度で直行する平面を設けます。

定盤,マグネット付きVブロック,仕上げプレートで構成する90度直交平面

これに正立ミラーを密着させます。

この写真の正立ミラーは弊社製です。実際の調整対象は他社製でした。

「90度対空」仕様なので、ねじれ角度が正しければ、対物側のバレル端面とアイピース側のスリーブ端面が、90度直交面に同時密着します。調整前の状態では同時密着しなかったので、オーナー様のお話どおり、このねじれ角度はずれていました。ミラーボックス同士を接続するセットネジを一旦緩め、同時密着するねじれ角度にして再度締め付ければ、ねじれ角度の調整は完了です。

次に行ったのは、正立ミラーのミラーアライメント調整です。これはレーザーポインターを使った自家製のアライメント調整治具を使います。

レーザーポインターを使った自家製のアライメント調整治具

これに正立ミラーをセットしてミラーのアライメントを調整します。

この写真の正立ミラーは弊社製です。実際の調整対象は他社製でした。

これに調整対象の正立ミラーをセットして確認したところ、XY調整ノブのない側はほとんどずれていませんでした(実際のところ、このアライメントはまずずれません)。XY調整ノブのある方はいろいろ触っていたと思われるので当然ずれていましたが、XY調整ノブで修正して直しました。また調整原点がわかるように、XY調整ノブにミニグラインダーで小さい彫込を付けておきました。

調整ノブにミニグラインダーで付けた小さい彫り込みが、ミラーボックス中央を向いていると調整原点

ここまでの調整作業で正立ミラーは完璧な状態になったので、最後にクレードルの鏡筒平行調整を行いました。

調整済みの正立ミラーを双眼望遠鏡に取り付けたとき、両目に映る映像のズレが鏡筒の平行のずれになります。このずれを正立ミラーのXY調整ノブで調整すると必ず視野回転のずれが発生するので、鏡筒の平行もきちんと出さなければいけません。

今回のクレードルは鏡筒付属の鏡筒バンドをバカ穴で固定しただけの構造だったので、左右のずれはこの固定を一旦緩めて平行調整します(とはいっても微調整機構がないのでそれなりに慎重にやらないと合いません)。厄介なのは上下のずれです。実際今回のクレードルでは、左右よりも上下の方が大きくずれていました。このため鏡筒バンド固定部の下に薄いワッシャを追加して上下のずれを解消しました。

ちなみにこの部分はまた将来ずれる可能性がありますが、正立ミラーがずれてなければ復元は容易です(そのための調整原点マークです)。

これで調整作業は完了です。文章で書くと手間がかかっているように見えますが、実際の作業は1時間もかかっていません。

以上のようにねじれ角度ミラーアライメント鏡筒平行それぞれをきちんと整えると、必ずちゃんと見えるようになります。あらためて昼間の景色で確認すると、左右の像が気持ちよく一致し、本来の双眼望遠鏡としての見え方に戻りました。この双眼望遠鏡はすでに返却済みですが、オーナー様からも問題なく見えるようになったとのご報告をいただきました。

このようにビノテクノに預けていただければ、現在うまく両目で見えない双眼望遠鏡も本来の状態にすることができます。お困りの方はどうぞ気軽にお問い合わせください。

EZM納品は4月末以降になります

EZM金属パーツの在庫が払底しました。パーツは注文済みですが、入荷予定は4月末以降です。
ついては大変申し訳ありませんが、以下の商品について、これからのご注文分の納品は4月以降になります。どうかよろしくお願いします。

<4月以降の納品となる商品>

  • EZM片側/ペア
  • BINOKIT-BORG
  • 双眼望遠鏡完成品(特注品含む)

「BINOKIT用8.5cm対物レンズユニット」販売終了

BINOKIT用8.5cm対物レンズユニットの在庫が無くなったので販売終了となりました。ご購入いただいたみなさま、ありがとうございました。

これでBINOKIT用の対物レンズユニットは、昨年末に発売した10.2cm3枚玉SDのみとなります。こちらの方も引き続きよろしくお願いします。

新対物レンズ単眼仕様


先日紹介した新対物レンズの単眼仕様を実際に作ってみました。構成内容はこちらをご覧ください(構成内容に少し変更があったので訂正しておきました)

この鏡筒の重量は、アイピースを除いて4.6kgです(鏡筒バンド、アリガタ金具含む)。

またFPL53素材を使っているので、商品ページに表記してあった”ED”はすべて”SD”に変えました。

この対物レンズの見え味ですが、このスペックを裏切らない見え方です。星像がシャープであることは言うまでもありませんが、特筆すべきは、星の色がとてもわかり易いことです。例えばトラペジウムの4つの星の色の違いがはっきり分かります。これはこの対物レンズが優秀であることを示す特長のひとつです。

前回の紹介で言い忘れたのですが、今回の対物レンズのリリースはかなり気合が入っています。FPL53素材使用かつ3枚玉なので、仕入れ金額もそれなりでしたが、無難なスペックではインパクトがないと考えて、今回このモデルを用意しました。ビノテクノの本気度を感じていただければ幸いです。

アルミパーツ加工承ります

双眼望遠鏡と関係のないアルミパーツの加工も承ります

これまで特に宣伝してこなかったのですが、依頼先が少なくて困っていらっしゃる方が意外と多いようなので、あらためてご案内します。想定しているアルミパーツは以下のようなものです。

例:鏡筒取付用サブプレート,架台とピラー/三脚の接続アタッチメント、接眼部まわりの接続リング等

ただし一品物(いわゆるワンオフ品)になるので、市販のパーツより高くなります。したがって、市販のパーツが手に入るなら、そちらのご利用をお勧めします。あくまで市販品では解決できないときのための有償サービスです。

ご依頼から納品までの流れは次のとおりです。

  1. お客様からビノテクノへご依頼
    「**と**を接続したい」とか、略図付きで「こういったパーツの加工を依頼したい」というご要望をお知らせください。
  2. ビノテクノにて手配図面作成
    ご要望を確認して手配図を作成します。その際、寸法や形状の確認のため、相手側(鏡筒や架台)をお借りする場合があります(送料はお客様負担)。
  3. ビノテクノから加工業者に見積依頼
    ビノテクノと取引のある機械加工専門の業者から見積を取ります。
  4. ビノテクノからお客様へ見積提出
    上記見積にビノテクノの手数料を加えて見積を提示いたします。
    手数料は、業者見積が1万円未満の場合、1回あたり一律2,000円、1万円以上の場合は業者見積の20%になります。

    ここまでは無償対応いたします。金額が折り合わない場合はキャンセルしていただいてかまいません(値引き交渉はご容赦ください)。

  5. お客様からビノテクノへ代金振り込み
    金額をご了解いただいたら代金の振り込みをお願いします。この振り込みをもって正式発注になります。
  6. ビノテクノから加工業者に発注
  7. ビノテクノからお客様へ納品
    正式発注をいただいてから概ね一ヶ月以内で納品できます。
    送料はお客様にてご負担をお願いします(着払いで発送します)。

    流れは以上です。どうぞ気軽にご相談ください。

デモ品&在庫品処分セール

作業場が手狭になってきたので、下記の通り処分セール(直販のみ)を行います。金額はすべて税別です。

  1. CRDL-mini試作品 1セット 40,000円(新品価格 58,000円)
    売約済み(2021.12.20)
    ※ アルミフレーム外観にいくつかスリ傷があります。
  2. EZP試作品左右ペア 1セット 30,000円(新品価格 56,000円)
    売約済み(2021.12.20)
    ※ 左目用EZPの底面に加工穴が3箇所あります(光が漏れないよう処置済み)。
  3. BLANCA-60SED鏡筒 デモ品 2本 46,000円/本 (新品価格 58,000円/本)
    ※ 目立つ傷はありません。1本単位で販売します。

    写真は笠井トレーディングHPより
  4. BLANCA-72SED鏡筒 デモ品 2本 54,000円/本 (新品価格 68,000円/本)
    売約済み(2021.12.20)
    ※ 目立つ傷はありません。1本単位で販売します。

    写真は笠井トレーディングHPより
  5. BLANCA-72SED鏡筒 新品 2本 61,200円/本 (新品価格 68,000円/本)
    売約済み(2021.12.22
    ※ 未開封品です。1本単位で販売します。

    写真は笠井トレーディングHPより
  6. BLANCA-102EDP鏡筒 デモ品 1本 78,000円 (新品価格 98,500円)
    売約済み(2022.03.14
    ※ 目立つ傷はありません。

    写真は笠井トレーディングHPより

CRDL-mini+BLANCA-60SED

小型簡易クレードルCRDL-miniにBLANCA-60SEDを載せてみました。

BLANCA-60SEDに付属している鏡筒バンドは、アリガタ金具への取り付けを想定していないので、以前販売していたBINO-60ED用のパーツ(鏡筒バンド)を流用してアリガタ金具を取り付けました。

この構成例の金額は下記のとおりです(すべて税別)。

クレードル:CRDL-mini 58,000円
正立プリズム:EZP-P 56,000円
鏡筒(2本):笠井トレーディング BLANCA-60SED 116,000円
鏡筒バンド+アリガタ金具(鏡筒2本分):8,000円
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合計 238,000円

ご不明な点があれば気軽にお問い合わせください。

TSA120ビノ

先日納品したTSA120ビノ(特注品)を紹介させていただきます。


鏡筒はタカハシTSA120(D120mmF7.5 3枚玉アポクロマート)です。左側に同架しているのはBINO-60EDです。オーナー様のご要望で、鏡筒バンドの色を青色にそろえました。同様にEZMの中間リングは白色にそろえました。


架台本体はアイベル・ノースマウントCT-30です。右側に同架しているのはStarsense Exploreです(お客様よりご支給)。そのすぐ下に見えている、右側に突き出た機構は目幅調整です(右側鏡筒が平行に移動します)。

架台フレームは先日紹介したBK150750ビノと同じ逆ブランコ方式です。この方式のよいところは、架台本体に偏荷重がかからないところにあります。バランスウェイトを含めれば総重量50kg以上あるはずですが、剛性に不安はまったくありません。

両サイドに、上から下に垂れている黒い角柱は工業用アルミフレームです。メインのバランスウェイトの位置は、このアルミフレームの溝に沿って変えることができます。


パン棒に仕込んであるのは1kgのバランスウェイトです。この位置はアイピース交換時に動かします。

また言うまでもなく、メインのバランスウェイトが観測者側にオフセットしてあるのは、鏡筒を前にオフセットするためです。


オーナー様のお住まいは街なかと伺っていますが、ベランダからの見晴らしはよさそうです。

CRDL-mini(小型簡易クレードル)の微動ステージ機構

先日発売を開始したCRDL-mini(小型簡易クレードル)の微動ステージ機構(鏡筒の平行調整用)について、ある方から「どうやって2枚のプレートだけで上下と左右の調整を行っているのか?」というご質問をいただきました。鋭いご質問です。

ベタに考えれば一番下にベースプレート(基準プレート)、その上に上下揺動プレート、さらにその上に左右スイングプレートの3枚必要です(上下と左右の順番は逆でも可)。ところがそうしてしまうと、この部分の厚みが増して、クレードルが大柄になってしまいます。それを避けるため、工夫を加えて2枚で済むようにしました。

その工夫の内容を、写真で紹介させていただきます。


まずは鏡筒を取り付けるためのアリミゾ金具を外した状態です。


さらに上のプレートを外した状態です。見えているのがベースプレートです。両サイドに載っているのは鋼球(スチールボール)です。この鋼球は円弧状の彫り込みに収まっています。


この写真は、上のプレートを裏面から見たものです。両サイドのすり鉢状の彫り込みが、上述の鋼球を上から保持します。左右の微調整ノブを回すと鋼球はベースプレートの円弧状の彫り込みに沿って動くので、上のプレートはその円弧中心を仮想中心としてスイングします。

さらに上下調整ノブを回すと、今度は鋼球を支点にして上のプレートが揺動します。

つまり今回の工夫は、上下2枚のプレートの間に2個の鋼球をはさみ、さらにその鋼球の軌道を円弧状にしたことです。この工夫で、この機構は2枚のプレートで済んでいます。


最後に上下調整用ノブに仕込んであるパーツも紹介しておきます。写真の左端から、左2枚が球面座金(凸と凹)、次の3枚がスラストベアリング、次がスペーサー、最後がノブ本体です。スラストベアリングがあるおかげで、ロック状態からアンロックする操作がとてもやりやすくなっています。

BK150750ビノ

先日納品したBK150750ビノ(特注品)を紹介させていただきます。


鏡筒はスカイウォッチャー製BK150750(D150mmF5アクロマート)です。


接眼部は笠井トレーディングV-POWERII(S)です。鏡筒チューブと接眼部をつなぐリングは特注アルミパーツです。ストロークの長いV-POWERII(L)を使わずV-POWERII(S)を使った理由は口径食の回避です。事前にCADで確認したところ、Lは長いドロチューブで口径食を起こすので、ストロークの短いSを採用しました。

EZMは対物側もノーマルサイズのミラーで、接眼部との接続は2インチバレルです。鏡筒間ピッチが広いので、第1ミラーと第2ミラーの間に延長スペーサが設けてあります。


クレードルのみの写真です。基本的にオーナー様しか使わないので、目幅調整機構は思い切って簡略化しました。

その部分のクローズアップです。片側の鏡筒バンドのみ、キー(精密な寸法で仕上げられたステンレス製角材)に沿って動かせる機構にしてあります。長穴に取り付けられているボルトを緩め、あらかじめオーナー様の目幅に合わせて動かし、再度ボルトを固定します。この鏡筒バンドはキーに沿ってしか動かないので、どの位置でボルトを固定しても左右の平行が崩れることはありません。

当然ながら目幅調整は煩雑ですが、一度合わせたらまず変更することはないとのことだったので、コストダウンのため、割り切ってこういうシンプルな機構にしました。

以下はオーナー様からいただいた写真とメール抜粋です。


※ ビノテクノコメント:架台はiOptron AZマウントPro、逆ブランコ方式のブラケットはリンクス製です。今回はこの逆ブランコ方式ブラケットのトッププレートを換装する形で改造を行いました。

15cmビノにての初観望を行いました。
素晴らしい!のひと言に尽きます。
特に散開星団は圧巻です。
やはり口径がものをいうのですね。

既にボーグ107ビノを所有しており、その見え味には満足しているのに更に15cmビノが自分に必要なのかと、かなり悩みましたが、作っていただいて本当に良かったというのが今の正直な気持ちです。

また、軽量化を図っていただいたお陰でマウントとの相性もバッチリでした。

15cmビノと架台のマッチングについて追記させていただきますと、口径に対して鏡筒長が短いこともあり、しっかりとバランスさえ取られていれば観測中に気になるようなふらつきはありませんでした。

大変お世話になりまして、ありがとうございました。

※ ビノテクノコメント:オーナー様、こちらこそありがとうございました。出来上がりにご満足いただけて、とてもうれしく思っています。目幅調整機構の簡略化等、ご自身の使い方に合わせてシンプルな仕様を採用されたことは、とても賢明なご判断と思います。

新製品「BINOKIT用10.2cm3枚玉SD対物レンズユニット」

今年6月に販売終了となった10.2cm2枚玉に代わるBINOKIT用対物レンズユニットとして、3枚玉SDアポクロマートを販売開始いたします。

口径:102mm
焦点距離:714mm (F7)
レンズ枚数:3枚
FPL53使用
価格:税別 276,000円/2本

旧モデルより高くなっていますが、それでもこのスペックでこの価格はたいへんお値打ちです。これとBINOKITを組み合わせた税別価格は、

BINOKIT本体(アルミコート仕様) 248,000円
10.2cm3枚玉SDアポクロマート対物レンズユニット(2本) 276,000円
———————————————————————
合計 524,000円

となります。接続リングやフードリングがEZMの中間リングと同じ色にしてあるので、見た目もおしゃれです。写真紹介コーナーも併せてご覧ください。

またこの対物レンズユニットは単品でも販売いたします(税別138,000円)。これにBORG製80Φ鏡筒や鏡筒バンド、接眼部を取り付ければ単眼の望遠鏡になります。

構成例:(価格はすべて税別)
10.2cm3枚玉SDアポクロマート対物レンズユニット(1本) 138,000円
BORG 80ΦL100mm鏡筒BK【7101】 5,905円(2021.12.28訂正)
BORG 80ΦL25mm鏡筒BK【7026】 4,286円(2021.12.28追加)
BORG アダプター7801 4,287円
笠井トレーディング V-POWERII接眼部(L) 34,500円
笠井トレーディング BORG互換アダプター 3,800円
MORE BLUE 内径80mm鏡筒バンドTB017 9,546円
MORE BLUE アリガタ金具AU003 3,182円
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合計 203,506円(2021.12.28訂正)

一般的にFPL53を使った10センチ3枚玉アポ鏡筒は30万円以上しますから、いかにお値打ちかご理解いただけると思います。ご希望があればビノテクノですべてパーツを調達していたします(このサービスはビノテクノ直販のみ)。

また、上記の構成例でもわかるように、すでにBORG80Φシリーズの機材をお持ちの方にもご利用いただける仕様となっています。追加する対物レンズの選択肢としてご検討ください。

新製品「小口径用簡易クレードル CRDL-mini」

すでにHPの商品ページには掲載済みですが、本日より小口径用簡易クレードルCRDL-miniの販売を開始します。

このクレードルの特長は、市販鏡筒に付属している鏡筒バンドとアリガタ金具がそのまま使えるところにあります。下の写真はその搭載例です。

正立デバイスは、これも最近発売した正立天頂プリズムEZPです。

これまでビノテクノの正立デバイスは、光路長が長く、高価な正立天頂ミラーEZMしかありませんでした。しかしEZPの登場で、小口径(主に8センチ以下)でもピントが出るようになりました。しかもEZMの半分以下の価格です。これに安価なクレードルがあれば、以前から抱いていた、小口径の双眼望遠鏡を安価に提供したいという想いが実現します。そこで開発したのがこのクレードルです。

このクレードルは、左側の鏡筒で目幅調整を行い、右側の鏡筒で平行調整を行います。

目幅調整は下部に取り付けてあるアリガタ金具に沿って動かすサバイバルな構造です。そのため、操作性では従来のクレードル(CRDL-105, CRDL95等)に劣ります。基本的にはあまり頻繁に目幅調整を行わない、パーソナルユースが前提の商品です。

平行調整(鏡筒の上下左右調整)は、EZMでいうところのXY調整ネジに相当するものです。実はEZP自体にXY調整機構を組み込もうとしたのですが、プリズムの自重が大きく、スムーズな微調整がどうしても実現できませんでした。そこでこの機能をクレードル側に持たせることにしたのですが、逆にそれが功を奏して、鏡筒付属の鏡筒バンドとアリガタ金具の使用が可能になりました。これは大きなコストダウンになりました。

従来のクレードル(CRDL-105, CRDL95)との違いをまとめると、次の表のようになります。

項目 CRDL-mini 従来のクレードル
市販鏡筒付属のアリガタ金具(ビクセン規格) 使用可 使用不可
市販鏡筒付属の鏡筒バンド 使用可 使用不可
使用する正立デバイス EZP EZM
目幅調整 アリガタ金具を利用した簡易方式 ネジを利用した微調整方式
鏡筒の平行調整 右側鏡筒の微動ステージで調整 調整レス(金属パーツの精度で保証)
適用鏡筒 8センチ未満 8センチ以上

 

安価な工業用アルミフレームを使ってさらにコストダウンを図り、この価格(税別58,000円)を実現しました。

HPの商品ページにも掲載しましたが、例えば笠井トレーディングBLANCA-72SED鏡筒を載せた場合、クレードル、EZPペア、鏡筒2本でちょうど25万円(税別)になります。FPL-53の硝材を使った72mmの双眼望遠鏡がこの価格で提供できる意義を強調したいです。

一度も見たことのない人に双眼望遠鏡の楽しさを言葉で伝えるのは難しいです。逆に一度でも本物を覗けば、一瞬でその楽しさが理解できます。価格が下がればその機会は増えるはずです。EZPとCRDL-miniは、ビノテクノの起業動機である「双眼望遠鏡の楽しさをより多くの人に知ってもらいたい」という想いが詰まった商品です。