CRDL-miniをブルドッグ架台に組み込みました

お客様のリクエストに応えて、小口径用簡易クレードルCRDL-miniブルドッグ架台に組み込んでみました。

当初はブルドッグ架台のフォーク部にそのまま載せたいというご希望でしたが、鏡筒の平行調整ハンドルが操作できなくなってしまうので、フォーク部の底板を外し、CRDL-miniを直接取り付けました。結果としてこのブルドッグ架台はCRDL-mini専用となります。

またブルドッグ架台のフォーク内寸290mmは、CRDL-miniにとって少し狭かったので、長さ10mmのカラーを両側に入れて、内寸310mmに広げました。

これに載せる鏡筒はお聞きしていませんが、正立デバイスはEZPを使われるご予定とのことです。

アイピースの干渉限界

比較的短い焦点距離のアイピースには、2インチバレルの先に31.7mmバレルが突き出たタイプがあります(例:イーソス13mm以下ハイペリオン)。

このタイプのアイピースをビノテクノ製EZMに挿入すると、奥にあるミラーと干渉する可能性があります。その具体的な数値は下図のとおりです。

図にある通り、2インチバレルと31.7mmバレルの長さを足した数値が40mmを超える場合、ミラーに干渉する可能性があるのでご注意ください。

40mmを超えるタイプのアイピースを使いたい場合は、ピント位置等、事情が許すなら2インチ→31.7mmアダプターをご利用ください。

2インチバレルを挿入して使いたい場合は、長めの2インチスリーブや、2インチバレルの根元にはめるスペーサ等、特注部品で対応いたします。その際はお気軽にご相談ください。

なお、31.7mmバレルの突き出しがないアイピースは、2インチスリーブの奥、35mmの位置に段差があるので、2インチバレル部がどれだけ長くてもミラーと干渉することはありません。

星をもとめて ご来訪お礼

昨日(9/18)京都るり渓で開催された星まつり「星をもとめて」に行って来ました。2018年に続いて2回め、4年ぶりの出店です。

出店風景

台風が近づいていてどうなるかと心配していましたが、9/18のみの日程で開催されました。自宅の三重県から滋賀県あたりは行きも帰りも雨でしたが、ラッキーなことに開催地は夜まで雨がふらず、写真のように、お店の前にデモ機を陳列することもできました。ビノテクノの場合、出店の一番の目的は双眼望遠鏡を体験していただくことなので、デモ機陳列の可否はとても重要です。

おかげでたくさんの方に双眼望遠鏡を体験していただいたり、特価品をお買い上げいただきました。あらためてお礼申し上げます。

やはり直にお客様とお話できるのはいいですね。今年はもう出店予定はありませんが、また来年、胎内星まつり(来年こそはぜひ!)か星をもとめてで、みなさんとお会いしたいです。

冷却カメラによる電子観望

私のプライベートなホームページ(BigBinoのホームページ)のネタです。冷却カメラによる電子観望ギャラリーを追加しました。

非冷却カメラでも実によく映るのですが、「さらにクオリティを上げたい」という想いで冷却カメラを導入しました。

あえて画像処理をしてないのは、「電子観望に冷却カメラを使うとこう見える」ことを紹介したいからです。電子観望の記録としてご覧ください。

銀ミラー価格改定のお知らせ(9/1より)

たいへん申し訳ありませんが仕入れ価格の上昇に伴い、9/1以降のご注文より、下記の通り銀ミラーの価格を改定いたします。 

商品8/31までの価格
(税別)
9/1以降の価格
(税別)
BINOKITオプション
-AG
追加金額14,000円増追加金額18,000円増
双眼望遠鏡完成品
オプション -AG
追加金額14,000円増追加金額18,000円増
EZMペアオプション
-AG
追加金額14,000円増追加金額18,000円増
EZM単体オプション
-AG
追加金額7,000円増追加金額9,000円増
ミラー単品10,500円12,500円

値上げ前の価格で購入ご希望の方は、8/31までにご注文いただくようお願いいたします(納品は9月以降になります)。

ユーザーレポート(BINOKIT+10.2cm3枚玉SDアポ)

以前納品したBINOKIT+10.2cm3枚玉SDアポのオーナー様からユーザーレポートをいただいたので紹介させていただきます。

先週、23日(土)21:30頃から24日3:00頃まで伊豆の天城高原で星を見てきました。
標高1000mくらいのところなので、夏ですが、夜は冷えますね。
見た天体は以下のとおりです。
M11 たて座 散開星団
M17 いて座 散光星雲(オメガ星雲)
M22 いて座 球状星団
M21 いて座 散開星団
M20 いて座 散光星雲(三裂星雲)
M8   いて座 散光星雲(干潟星雲)+散開星団MGC6530
M6   さそり座 散開星団
M7   さそり座 散開星団
M13 ヘルクレス座 球状星団
M57 こと座 惑星状星雲(リング星雲)
ダブルダブルスター こと座 
アルビレオ(二重星) はくちょう座
M27 こぎつね座 惑星状星雲(あれい星雲)
いるか座γ星(二重星)
M15 ペガスス座 球状星団
M31 アンドロメダ座 渦巻銀河
アルマク(二重星) アンドロメダ座
M34 ペルセウス座 散開星団
二重星団(NGC869+884) ペルセウス座 散開星団
上記以外に土星、木星、海王星、天王星、月を観望

ビノテクノ(服部注、BINOKIT+10.2cm3枚玉SDアポ)は、星団、星雲から惑星、月までバランス良く見ることができますね。
個人的には散開星団を見るのが楽しいです。
今回も友人と一緒に行きましたが、木星の縞と月のクレーターに感動していました。

以上、簡単ですが、レポートさせて頂きました。

オーナー様、ユーザーレポートありがとうございました。

ご覧になった天体が夜空のどの位置にあるかを頭の中でなぞっていくと、夏から初秋にかけての見どころを一網打尽にされていることがよく分かります。

散開星団は双眼望遠鏡、特にビノテクノ製10.2cm3枚玉アポのような切れ味鋭い対物レンズにとって、もっとも見応えのある対象です。写真では味わえない感動があります。

どうぞ引き続き観望をお楽しみください。

タカハシFOA-60Qビノ

タカハシ製FOA-60Q鏡筒を使った双眼望遠鏡です。

鏡筒中ほどの黒い継ぎ目からアイピース側がエクステンダー1.7XR

FOA-60Qは、口径60mmF8.8のFOA-60鏡筒にエクステンダー1.7XRを標準付属してF15とした鏡筒です。

EZMは通常の2インチバレル差し込みではなく、特注の光路短縮アダプターで取り付けてあります。FOA-60Qの状態で使う場合バックフォーカスに余裕があるのでこの処置は不要ですが、FOA-60の状態でも見たいというオーナー様のご希望でこの仕様にしました。この取付を採用したおかげで、ピント位置の苦しいイーソス17mm(テレビューアイピースデータによると絞り環位置はin側9.9mm)でもFOA-60でピントが出ます。

クレードルは弊社製CRDL-105をベースに、鏡筒バンドの部品だけ特注製作して対応しました。架台に取り付けるためのアリガタ金具はMORE BLUE製自在アリガタです(オーナー様のご希望)。

タカハシ鏡筒用ペンタックスファインダー台座

少しややこしい仕様ですが、タカハシ製鏡筒にペンタックス製ファインダーを取り付けたいというご要望があったので製作しました。ペンタックス製ファインダーは正立像であり、なおかつ像質が良いので、鏡筒が変わっても使いたいというリクエストです。

ペンタックス製ファインダーは3センチと5センチの2サイズあり、それぞれ大きさが異なりますが、どちらも取付可能なマルチ仕様です。

ペンタックス製3センチファインダーを取り付けた状態
ペックタックス製5センチファインダーを取り付けた状態

双眼望遠鏡とは直接関係ありませんが、ビノテクノはこういうご要望にも対応しています。

ビノテクノ製品の光軸が狂わないカラクリ

ビノテクノ製の双眼望遠鏡は、お客様の手元に届いたその日からすぐに観望が楽しめます。調整不要の構造になっているので、お客様の方で何日もかけて光軸を追い込んでいくといった作業は必要ありません。また使っていくうちに光軸が狂ってくるという不具合も発生しません。

今回はそのカラクリの一部を紹介します。

EZMを構成する頂角60度の2つのミラーケースは、70.53度のねじれ角度で接続すると、90度正立となります(詳細はこちら)。そのためEZMのミラーケースは、その角度でしか接続できないよう、位置決めピンが埋めてあります。

対物側ミラーケース(中間リング取付面)
アイピース側ミラーケース(中間リング取付面)

取付面を時計の文字盤に例えて12時の位置に見えるのが位置決めピンです。それ以外の穴はすべてネジ穴です。

中間リング(アイピース側)

12時の位置にある長穴が位置決めピンの入る場所です。余談ですがこの場合の位置決め穴を丸穴ではなく長穴にするのは機械設計の定石です。

中間リング(対物側)

上の写真では、2時の方向と10時の方向に見えるのが位置決めピンのための長穴です。正確に言えば、12時の方向を0度として、時計方向に70.53度と、反時計方向に70.53度の位置です。どちらの穴を使うかで右用と左用が決まります。

ちなみにこれらの位置に正確に位置決めピンの穴を施すのは職人芸でもなんでもありません。プロの加工業者なら普通の加工です。逆に言えば、普通の加工レベルの部品構成で要求性能を実現させるのが、設計者の腕の見せどころです。

クレードル本体ベース

鏡筒を連結して目幅調整を行うクレードルについても同様のカラクリが施してあります。位置決めピンを使って鏡筒の平行を確保しています。写真では4個の位置決めピンが見えます。

鏡筒バンド(下側)の取付面

取付面の3つの穴のうち、真ん中の穴が位置決めピンのための穴です(この場合は丸穴で大丈夫です)。

市販の鏡筒バンドではこのような位置決め穴がないので、双眼望遠鏡に必要な鏡筒の平行状態の確保が難しいです。しかも固定ネジが緩むとすぐにずれるので不安定です。

このようにビノテクノ製品は、要所要所に位置決めピンが埋めてあるので、調整レスであり、使っているうちにずれる心配もありません。

ここからは余談ですが、

私は3年前まで株式会社デンソーで35年間設備設計の仕事をしていました。そこで培った設計技術のひとつに、「カンコツ調整に頼らない設計」というものがあります。ちなみに「カンコツ」というのは「勘」と「コツ」の意味で、特定のベテランの感覚的なスキルを指します。そのスキルの習得には敬意を表しますが、その人しか調整できない設備はデンソーではNGです。

今回紹介したEZMとクレードルのカラクリ(=設計上の工夫)はまさに、デンソー在職中に獲得した設計技術が反映されています。

FC-76DC対物ユニット双眼望遠鏡

タカハシFC-76DC対物ユニットを使った双眼望遠鏡です。この対物ユニットを使った完成品の鏡筒はFC-76DCUになりますが、EZMではピントが出ないので、対物ユニットのみを使って双眼望遠鏡に仕立てました。

鏡筒の構成は、対物レンズ側から以下のとおりです。
・ FC-76DC対物ユニット
・ 特注接続リング
・ BORG 80φL100mm鏡筒BK【7101】
・ BORG M77.6→M68.8AD【7801】
・ 笠井トレーディング BORG互換アダプター
・ 笠井トレーディング V-POWERII接眼部(お客様からご支給)
・ ビノテクノ EZM

クレードルはビノテクノ CRDL-105のベース部分に80mm鏡筒用バンドを特注製作して取り付けました(FC-76DC対物ユニットの外径も80mmです)。お客様のご要望でファインダー台座は上の写真の位置に取り付けました。

納品前に昼間の景色を見たところ、色収差が全く感じられない、すっきりくっきりした、タカハシらしい見え方でした。

ビクセンSD60SSビノ on 特注CRDL-mini

お客様よりご提供いただいた写真

クラウドファンディングで商品化されたビクセン鏡筒SD60SS(お客様よりご支給)の双眼望遠鏡です。正立デバイスはビノテクノ製EZPです。

お客様よりご提供いただいた写真

クレードルはビノテクノ製CRDL-miniを少しだけ特注アレンジしたものです。通常CRDL-miniは横抱きですが、写真の通り、小型の経緯台Giro Ercole Mini(お客様よりご支給)の両端に30mm角アルミフレームを固定する、いわゆる『逆ブランコ』形式で取り付けました。

バランスウェイトは1個あたり3.7kgのもの(お客様よりご支給)を両サイドに計2個取り付けました。SD60SS鏡筒はつくりがしっかりしているので意外と重いバランスウェイトが必要です。

今回鏡筒を1本だけお預かりしていたので昼間の景色を見てみましたが、外観同様、高級感の漂う像質でした。この鏡筒の双眼で月面を見たらさぞ素晴らしいだろうなと思いました。

ちなみに最近のビノ製作においては、製作実績のある鏡筒の場合、基本的に鏡筒はお預かりしません。預かっても、EZMのX-Y調整ネジ(CRDL-miniの場合は鏡筒のX-Y調整機構)で双眼視できることを確認するだけです。

そもそもX-Y調整ネジ以外の調整機構はないので、万が一双眼視できないときはパーツの加工不良が原因となりますが、信頼できる業者に加工を依頼しているので心配していません。実際今まで双眼視できなかったことは一度もありません。

むしろ鏡筒を預かると、新品の鏡筒を気づけないか心配ですし、送料も余分にかかります。こういった理由で鏡筒のお預かりは最小限にしています。

ただし今回は新規の鏡筒だったので、1本だけ預かって想定外の干渉やバランス、ピントが出るかどうかの確認をさせていただきました。

BORG55FLビノ

BORG55FL対物レンズと2インチダイアゴナル(どちらもお客様からご支給)を使ったシンプルな双眼望遠鏡です。ピント調整はアイピースの抜き差しで行うというサバイバルな仕様です。

パーツ構成は対物レンズ側から順に以下のとおりです。

  • BORG55FL対物レンズ
  • BORG40mm延長筒
  • 特注接続リング
  • 2インチスリーブ(ビノテクノEZMパーツ流用、一部追加工あり)
  • ORION 2インチダイアゴナル

2インチスリーブ下には特注のVブロック形状パーツを介してK-ASTEC製アルカスイスアリミゾ金具が取り付けてあります。写真では単純なアルカスイスレールに2本の鏡筒を載せていますが、実際にはお客様で用意される別形状のアルカスイスレール(写真なし)に搭載されます。

ちなみに左右平行の調整機構はありません。各パーツの部品精度を信じて組み立てたら、取り付けただけでぴったり像が一致しました。

正立光学系を使っていないので像は裏像になりますが、気軽に持ち運びできる双眼望遠鏡に仕上がりました。

5/1よりEZM値上げします

たいへん申し訳ありませんが諸般の事情で、5/1以降のご注文より、下記の通りEZMとその関連商品の価格を値上げいたします。

商品4/30までの価格
(税別)
5/1以降の価格
(税別)
EZMペア(アルミコート)128,000円138,000円
EZM片側(アルミコート)64,000円69,000円
BINOKIT-BORG基本セット248,000円258,000円
BINO-BLANCA102基本セット521,000円531,000円
誘電体コート、銀メッキコートへの変更オプションは変更ありません


値上げ前の価格で購入ご希望の方は、4/30までにご注文いただくようお願いいたします。

EZM金属パーツ入荷しました

「4月下旬以降」とアナウンスしていたEZMの金属パーツが、思っていたより少し早く入荷しました。お待たせしていたお客様へはこれから順次組み立てて出荷していきます。またこれからご注文をいただく場合も通常通り2週間以内にお届けできますので、ご注文をお待ちしています。

EZMの金属パーツ(ミラーケース)

双眼望遠鏡の調整サービス

弊社HPの「製品」ページにも案内してありますが、双眼望遠鏡の調整サービスを無償で行っています(送料のみお客様負担)。これは弊社製、他社製、自作品問わず、左右の光軸がずれて何ともならない状態になった双眼望遠鏡を、ちゃんと両目で気持ちよく見られるように調整するサービスです。

先日も一件、ご依頼主のオーナー様が中古で入手した双眼望遠鏡を調整させていただきました。

オーナー様から事前にいただいたお話によると、正立ミラーの2つのミラーボックスを接続するネジが緩んで(ミラーボックスの)ねじれ角度がずれてしまったそうです。その後試行錯誤でいろいろ調整を試みたものの左右の視野回転が大きくずれたままで、例えばオリオン大星雲を見るとそれがよく分かる状態とのことでした。

そこで双眼望遠鏡一式を送っていただき、こちらで調整することにしました。

ラベルもロゴ刻印もなかったので型式不明の鏡筒ですが、外観から察すると古いビクセン製の10センチオーバーだったので、それなりに古い双眼望遠鏡と思われます。正立ミラーは他社製、目幅調整機構付きクレードルは他社製か自作品かは不明です。

昼間の景色で調整前の状態を確認すると、なるほどひどい視野回転のずれでした。視野中央を正立ミラーのXY調整ノブで合わせると、右と左で視野回転の量が30度以上違います。これではまともに双眼視ができません。さっそく調整に取り掛かりました。

まずはじめに行ったのは正立ミラーのミラーボックスねじれ角度の調整です。

一般的な仕様の正立ミラーは「90度対空」で、このときのねじれ角度は理論上アークコサイン(1/3)≒70.53度になります。とはいってもこの角度に合わせて正確にねじるのはほぼ不可能です。そのため、別の方法を採ります。これは90度対空であることを利用した方法です。

具体的には下の写真のように、定盤の上にマグネット付きVブロックを置き、さらにVブロックに表裏の平行度が出ている仕上げプレートをマグネット吸着させて、正しく90度で直行する平面を設けます。

定盤,マグネット付きVブロック,仕上げプレートで構成する90度直交平面

これに正立ミラーを密着させます。

この写真の正立ミラーは弊社製です。実際の調整対象は他社製でした。

「90度対空」仕様なので、ねじれ角度が正しければ、対物側のバレル端面とアイピース側のスリーブ端面が、90度直交面に同時密着します。調整前の状態では同時密着しなかったので、オーナー様のお話どおり、このねじれ角度はずれていました。ミラーボックス同士を接続するセットネジを一旦緩め、同時密着するねじれ角度にして再度締め付ければ、ねじれ角度の調整は完了です。

次に行ったのは、正立ミラーのミラーアライメント調整です。これはレーザーポインターを使った自家製のアライメント調整治具を使います。

レーザーポインターを使った自家製のアライメント調整治具

これに正立ミラーをセットしてミラーのアライメントを調整します。

この写真の正立ミラーは弊社製です。実際の調整対象は他社製でした。

これに調整対象の正立ミラーをセットして確認したところ、XY調整ノブのない側はほとんどずれていませんでした(実際のところ、このアライメントはまずずれません)。XY調整ノブのある方はいろいろ触っていたと思われるので当然ずれていましたが、XY調整ノブで修正して直しました。また調整原点がわかるように、XY調整ノブにミニグラインダーで小さい彫込を付けておきました。

調整ノブにミニグラインダーで付けた小さい彫り込みが、ミラーボックス中央を向いていると調整原点

ここまでの調整作業で正立ミラーは完璧な状態になったので、最後にクレードルの鏡筒平行調整を行いました。

調整済みの正立ミラーを双眼望遠鏡に取り付けたとき、両目に映る映像のズレが鏡筒の平行のずれになります。このずれを正立ミラーのXY調整ノブで調整すると必ず視野回転のずれが発生するので、鏡筒の平行もきちんと出さなければいけません。

今回のクレードルは鏡筒付属の鏡筒バンドをバカ穴で固定しただけの構造だったので、左右のずれはこの固定を一旦緩めて平行調整します(とはいっても微調整機構がないのでそれなりに慎重にやらないと合いません)。厄介なのは上下のずれです。実際今回のクレードルでは、左右よりも上下の方が大きくずれていました。このため鏡筒バンド固定部の下に薄いワッシャを追加して上下のずれを解消しました。

ちなみにこの部分はまた将来ずれる可能性がありますが、正立ミラーがずれてなければ復元は容易です(そのための調整原点マークです)。

これで調整作業は完了です。文章で書くと手間がかかっているように見えますが、実際の作業は1時間もかかっていません。

以上のようにねじれ角度ミラーアライメント鏡筒平行それぞれをきちんと整えると、必ずちゃんと見えるようになります。あらためて昼間の景色で確認すると、左右の像が気持ちよく一致し、本来の双眼望遠鏡としての見え方に戻りました。この双眼望遠鏡はすでに返却済みですが、オーナー様からも問題なく見えるようになったとのご報告をいただきました。

このようにビノテクノに預けていただければ、現在うまく両目で見えない双眼望遠鏡も本来の状態にすることができます。お困りの方はどうぞ気軽にお問い合わせください。