ツブツブ系とサラサラ系

写真屋さんにはあまり人気がありませんが、散開星団は眼視派にとって、何回見ても飽きない対象です。

その散開星団を私はひそかに、『ツブツブ系』と『サラサラ系』の2種類に分類しています。

ツブツブ系は、比較的明るい星が目立つ星団です。代表格は二重星団、M35,M36,M38など。双眼で見ると、明るい星が手前に見え、暗い星が奥に見える、妙な立体感があります。

サラサラ系はたくさんの暗い星で構成された星団です。代表格はM11,M37,M46など。両目で見続けると、初めは頼りなく見えていた暗い星々が、じわじわと、そしてはっきりと見えてきます。黒い漆の盆に白い砂をまいたような景色です。このサラサラ系こそ、双眼望遠鏡で見ていただきたい対象です。手持ち双眼鏡ではパッとしなかったこれらの散開星団も、口径と倍率が大きくなるとまったく違う見え方をします。ちなみに私の最近のお気に入りは、カシオペア座のNGC7789(←サラサラ系)です。

秋冬は、見ごたえのある散開星団が多い季節です。ぜひお楽しみを。

中倍率も面白い双眼望遠鏡

特に星雲星団の観望がお好きな方には、50~80倍の中倍率をお勧めします。

この倍率で二重星団やM42を見ると視野からはみ出してしまいますが、別の見方をすれば、はみ出してしまうほど大きい星雲星団はそれほど多くありません。たとえば110番まであるメシエ天体のうち9割以上が視直径30分(=0.5度)以下です。10分未満も多いです。NGC天体も同様です。

これだけ小さい天体を見るのに、実視野は2度も要りません。1度ぐらいあれば十分です。さらに言うなら、広い見かけ視野+高倍率が見やすいです。例えば、どちらも実視野は1度ですが、見かけ視野50度で倍率50倍より、見かけ視野80度で倍率80倍の方がより詳細な観察ができます。

視直径の小さい星雲星団は、倍率を上げることで表情ががらりと変わります。低倍率ではただの小さい星の集まりに見えた地味な散開星団が、中倍率では星の配列がはっきりわかり、微光星もいっぱいあったりして、まったく違う印象になります。同じにように見えていた星雲星団が、実はそれぞれ個性のあることに気づきます。

低倍率でしか見たことのない天体は、あらためて中倍率でご覧になることをお勧めします。特に双眼望遠鏡では両目が使えるので、さらに認識力がアップします。同じ倍率でも単眼と双眼では別世界です。

双眼望遠鏡観望の必須アイテム

人間は立っているとき、頭を長時間静止させることができません。理由はよくわかりませんが、人間の身体はそのようにできているようです。このことが、立ったままの長時間観望を困難にしています。アイピースに対して目の位置が固定できないからです。

ところが、座ったり、片手で何かにつかまったりすると上半身が固定され、長時間観望が可能になります。

うまい具合に屈折式双眼望遠鏡のアイピースは低い位置にあるため、椅子に座って観望することができます。椅子に座る効果は絶大で、同じ対象を快適に見続けることができます。パッと目には見えなかった微光星や星雲の形が、じっくり見ることでじわじわと浮かび上がってきます。さらに言えば、一晩中観望していても、足腰の疲れを感じません。もちろん目は疲れますが(笑)。

使う椅子は、座る高さを変えられるタイプが好ましいです。移動観測で使う場合、折りたためることも条件です。具体的には、国際光器のエコノミー観測チェアやルネセイコウのワーキングチェア(Amazonで購入可能、各種あり)などがあります。望遠鏡が天頂を向くとアイピースの位置はかなり低くなるので、なるべく低い位置まで座面が下げられるタイプがお勧めです。