口径
移動観測に使うなら9センチから12センチぐらいがお勧めです。
これより小さい口径は鏡筒単価が安いため、EZMとクレードルの費用(合わせて30万円弱)に割高感が出てしまいます。ただしそこに目をつぶるなら、6~8センチの双眼望遠鏡もおもしろいです。
一方13センチ以上のアポクロマートは鏡筒が重いため移動観測が大変です。架台もほとんど特注になります。
レンズの種類
アポクロマートがお勧めです。低倍率では針で突いたような気持ちの良い星像を見せてくれます。よい架台を使えば中倍率、高倍率も楽しめます。
アポクロマートの中でも2枚玉と3枚玉があります。もちろん3枚玉の方が高級品ですが、多くは写真性能を意識したモデルで、眼視用にはオーバースペック気味です。さらにいうと、レンズセルが大きいため、2本並べたときのピッチが大きくなり、より長いバックフォーカスが必要になります。重さも2枚玉の1.5倍ぐらいあります。もちろんこれらの問題がクリアできるなら、3枚玉は最高級の双眼望遠鏡になります。逆に言えば、2枚玉モデルは双眼望遠鏡用の鏡筒として、コストパフォーマンスに優れています。
低倍率専用と割り切るなら、15センチクラスのアクロマートも面白いです。口径が大きくても意外と軽量で市販の架台が使えます。口径が大きいので暗い天体の観望に有利です。
バックフォーカス
10センチクラスまでなら160mm以上欲しいです。ところがこれだけのバックフォーカスが確保されているモデルは、どちらかといえば少数派です。メーカーカタログにこの数値が明記されていない場合も多いです。お客様からご要望があれば、ビノテクノからメーカーへ問い合わせをいたします。
バックフォーカスが足らない場合、鏡筒を切断する方法もありますが、望遠鏡メーカーは基本的に対応しません。また、望遠鏡メーカー以外で切断加工した場合、メーカーの保証対象外となります。光学性能の保証も含めた切断加工可能の業者がいないので、ビノテクノでは切断加工はお断りしています。
接眼部
ラックピニオンまたはクレイフォードタイプがお勧めです。ただし安っぽいものはだめです。
ヘリコイドはEZMの自重で発生するトルクで操作が重くなるのでお勧めしません。
ビノテクノのおすすめ鏡筒
ビノテクノで製作可能なお勧め鏡筒は次の通りです。(バックフォーカス確認済み)
・ Capri102ED(笠井トレーディング)
・ Blanca102SED(笠井トレーディング)
・ FC-100DL(タカハシ)