星をもとめて ご来訪お礼

昨日(9/18)京都るり渓で開催された星まつり「星をもとめて」に行って来ました。2018年に続いて2回め、4年ぶりの出店です。

出店風景

台風が近づいていてどうなるかと心配していましたが、9/18のみの日程で開催されました。自宅の三重県から滋賀県あたりは行きも帰りも雨でしたが、ラッキーなことに開催地は夜まで雨がふらず、写真のように、お店の前にデモ機を陳列することもできました。ビノテクノの場合、出店の一番の目的は双眼望遠鏡を体験していただくことなので、デモ機陳列の可否はとても重要です。

おかげでたくさんの方に双眼望遠鏡を体験していただいたり、特価品をお買い上げいただきました。あらためてお礼申し上げます。

やはり直にお客様とお話できるのはいいですね。今年はもう出店予定はありませんが、また来年、胎内星まつり(来年こそはぜひ!)か星をもとめてで、みなさんとお会いしたいです。

9/18-19「星をもとめて」出店について

新たに発生する台風が少し心配ですが、今のところ予定通りビノテクノは出店する予定です。

開店時間は、
9/18(日)12:00-22:00
の予定です。9/19(月)の出店はありません。

デモで展示するのは、以下の機材の予定です。

  • BINOKIT本体+10.2cm3枚玉アポ対物レンズユニット
  • 上記専用運搬コンテナ
  • 小型簡易クレードル CRDL-mini
  • 正立プリズム EZP
  • BINOKIT対物レンズ単眼鏡キット
  • 電子ファインダー「アストロイド」
  • 自作電子ファインダー

また今回は販売もあります。主なアイテムは以下のとおりです。

  • 笠井BLANCA-80SED(デモ使用品1本)
  • 高級アイピース(デモ使用品3種類各1本)
  • 笠井WideBino28(新品)
  • EZM単体・銀メッキ・左側仕様(外観難あり品2個)
  • アストロイド(現物なし予約販売のみ、3個限定、今月中に納品予定)
  • EZP(新品)
  • 未使用パーツ、残部品、中古品等
  • アダプター、キャップ等

いずれも特価販売です。価格は当日のお楽しみということで。

それからもうひとつ、会場に来られる方に耳寄り情報があります。

ビノテクノ製品の割引クーポン

を配布します。このクーポンは、今年の12月31日まで何回でも使えます。販売店様からの注文でも使えます。ただし枚数に限りがあります。会場に来られたら早めにお立ち寄りください。割引率については、これも当日のお楽しみということで。

いずれにしてもビノテクノが出店したい星まつりは、胎内星まつり星をもとめてだけで、しかも胎内星まつりが直前にリアル開催中止となってしまったので、今回の星をもとめてに全集中して出店に臨みます。買わなくてもかまいません、ぜひ実物をご覧になって、双眼望遠鏡の見え方を体験してください。たくさんの方のご来訪をお待ちしています。

2018年の出店風景

電子ファインダー完成

以前紹介した電視ファインダーのその後です。

望遠鏡に取り付けるためのブラケットを製作しました。

望遠鏡に取り付けた状態

CMOSカメラの背面にアルミプレートを取り付け、さらにその後ろに3本のボルトによる微調整機構を設けました。

また、スマホアプリASICAPの使い方で、画面に十字線を表示する機能を発見しました。

デフォルトでは表示がオフになっていますが、設定画面を開くと一番下に”Bull’s eye”という項目があります。

設定画面を開いた状態

これをONにすると十字線が表示されます(この変更は起動するたびに必要です)。

Bull’s eyeをONにした状態

十字線を表示してから、冒頭に説明した3本のボルトで、望遠鏡の視野中心と十字線の中心を合わせます。十字線の中心はCMOS画像の中心と一致しているので、レンズをズーミングしても中心がずれません。

この電子ファインダーを使った導入イメージは次のようになります(こと座M57の場合)。

まずは最も広視野(レンズの焦点距離17mm)を使って大体の位置に望遠鏡を向けます。

焦点距離17mmの視野、右端の輝星はヴェガ

次のレンズをズーミングして視野を拡大して望遠鏡の向きを微調整します。

焦点距離50mmの視野

これで70倍程度でもドンピシャです。ちなみに上の画像では、満月の夜にもかかわらずM57がうっすら映っています。今回紹介した画像は市街地の自宅で映したものですが、月の無い晩の暗い空ならもっとはっきり映るはずです。近いうちに暗い空に持ち込んでさらに使い勝手を試してみるつもりです。

それから前回ブログで提起した、ズーミングによるピント移動の問題ですが、その後詳しい方からアドバイスをいただきました。結論からいうと、現在のズームレンズはそういう仕様(ピントが移動する仕様)が一般的だそうです。

正確にいうと、ズーミングでピントが変わるレンズは「バリフォーカルレンズ」と呼ぶそうです。これらは通常AF(オートフォーカス)機能と組み合わせて使うので、ピントの移動は問題になりません。

そういうものだと割り切って使っているうちに慣れてきました(笑)

冷却カメラによる電子観望

私のプライベートなホームページ(BigBinoのホームページ)のネタです。冷却カメラによる電子観望ギャラリーを追加しました。

非冷却カメラでも実によく映るのですが、「さらにクオリティを上げたい」という想いで冷却カメラを導入しました。

あえて画像処理をしてないのは、「電子観望に冷却カメラを使うとこう見える」ことを紹介したいからです。電子観望の記録としてご覧ください。

銀ミラー価格改定のお知らせ(9/1より)

たいへん申し訳ありませんが仕入れ価格の上昇に伴い、9/1以降のご注文より、下記の通り銀ミラーの価格を改定いたします。 

商品8/31までの価格
(税別)
9/1以降の価格
(税別)
BINOKITオプション
-AG
追加金額14,000円増追加金額18,000円増
双眼望遠鏡完成品
オプション -AG
追加金額14,000円増追加金額18,000円増
EZMペアオプション
-AG
追加金額14,000円増追加金額18,000円増
EZM単体オプション
-AG
追加金額7,000円増追加金額9,000円増
ミラー単品10,500円12,500円

値上げ前の価格で購入ご希望の方は、8/31までにご注文いただくようお願いいたします(納品は9月以降になります)。

緩衝材の特注承ります

BINOKITの運搬用にこんな緩衝材を作ってみました。

BINOKITは分解できるので運びやすいと言えば運びやすいのですが、それでもダンボールで運ぼうとすると次のような問題点があることに、先日の小笠原ツアーで気づきました。

  • つい過剰に緩衝材を入れてしまうので体積効率が悪い
  • 一つひとつをエアパッキン等で包むため梱包に時間がかかる
  • 一度出してしまうとどう入っていたか忘れてしまう
  • ダンボールが複数回の運搬に耐えられない

そこで、前から持っていた樹脂製コンテナ専用の緩衝材を作ることにしました。

折りたたみ可能な樹脂製コンテナ(タテ33.6 X ヨコ49 X フカサ36.4cm)

緩衝材は上段と下段に分けました。上段がBINOKIT本体関係、下段が10.2cm対物レンズユニットです。

まずは3D-CADで形状を設計しました。

上段の3D図面
下段の3D図面

製作は自宅から40分ほどにある発泡スチロール加工メーカーに依頼しました。このメーカーは自社で原料から発泡スチロールを作るので、硬さも大きさも自由自在。さらに複雑なカットも可能です。

当初発泡スチロールではなく、クッション性の高いポリエチレンフォームでの製作を希望したのですが、このメーカーによると、これだけ大きなサイズのポリエチレンフォーム素材はかなり高価になるとのことでした。

そこで骨格は30倍の発泡スチロールで製作し、必要な部位にポリエチレンフォームのシートを貼ることにしました。ちなみに家電品の梱包に使われる発泡スチロールは50~60倍で、それに比べると30倍はかなり硬く、複数回の運搬に耐えられます。一方硬い分クッション性がないためポリエチレンフォームを貼るハイブリッド構造としました。

提供した3D図面を元にメーカーさんの方でさらに分割して加工しやすくしました。出来上がったのがこういう緩衝材です。

下段の緩衝材を収めた状態

外側の白い部分が30倍発泡スチロールで、内側の黒い部分がポリエチレンフォーム(接着剤で貼り付け)です。

10.2cm対物レンズユニットを収めた状態

運搬中に緩衝材と直接擦れ合うと対物レンズユニットの表面がテカってしまうため、ポリ袋に入れてあります。

上段の緩衝材を収めた状態

もちろん上段の緩衝材が下段の対物レンズユニットに直接触れることはありません。

BINOKIT本体を収めた状態

EZM、持ち手ハンドル、アリガタ金具、パン棒はすべて分解して収めてあります。ただし入れる場所が決まっているので迷うことはありません。

フタを閉じた状態

最後はこんな感じになります。この中に対物レンズユニットを含むBINOKITのフルセットが収まりました。

このコンテナの実戦デビューは胎内星まつりのはずでしたが、ご承知の通り直前で今年もリアル開催が中止になってしまいました。9月の星をもとめてがデビューとなりそうです。

いずれにしても今回のトライで、緩衝材の設計の勘所が分かりました。ご希望があれば特注の緩衝材製作を承りますのでご相談ください。3D図面作成を含めた見積取得までは無料です。

今回のトライでは外箱が樹脂製コンテナでしたが、もちろんアルミケースでも対応可能です。

ちなみに今回製作したものを販売するなら税別44,000円です(2段あるのでそれなりの金額になります)。価格の目安にしてください。

10.2cm3枚玉SDアポ単眼鏡 セット販売します

BINOKIT用の新製品10.2cm3枚玉SDアポクロマート対物レンズユニットの記事で構成例のみ掲載した単眼鏡をセット販売します。

価格は198,000円(税込 217,800円)です(前回記事で掲載した価格よりお値打ちな価格にしてあります)。

パーツ構成は以下の通りです。

10.2cm3枚玉SDアポクロマート対物レンズユニット(1本)
BORG 80ΦL100mm鏡筒BK【7101】
BORG 80ΦL25mm鏡筒BK【7026】
BORG M77.6→M68.8AD【7801】
笠井トレーディング V-POWERII接眼部(L)
笠井トレーディング BORG互換アダプター
MORE BLUE 内径80mm鏡筒バンドTB017
アリガタ金具(ビクセン規格)

架台とEZMは別売
架台とEZMは別売

なお、パーツの一部が定価の仕入れになるので、このセットはビノテクノ直販のみの扱いとさせていただきます。

以前の記事にも書いた通り、FPL53を使った10センチ3枚玉アポ鏡筒は通常30万円以上します。それが2/3以下の価格で手に入ります。低倍率だけでなく、高倍率の性能も素晴らしいので、観望好機を迎えている木星や土星もぜひこのセットでお楽しみください。

ユーザーレポート(BINOKIT+10.2cm3枚玉SDアポ)

以前納品したBINOKIT+10.2cm3枚玉SDアポのオーナー様からユーザーレポートをいただいたので紹介させていただきます。

先週、23日(土)21:30頃から24日3:00頃まで伊豆の天城高原で星を見てきました。
標高1000mくらいのところなので、夏ですが、夜は冷えますね。
見た天体は以下のとおりです。
M11 たて座 散開星団
M17 いて座 散光星雲(オメガ星雲)
M22 いて座 球状星団
M21 いて座 散開星団
M20 いて座 散光星雲(三裂星雲)
M8   いて座 散光星雲(干潟星雲)+散開星団MGC6530
M6   さそり座 散開星団
M7   さそり座 散開星団
M13 ヘルクレス座 球状星団
M57 こと座 惑星状星雲(リング星雲)
ダブルダブルスター こと座 
アルビレオ(二重星) はくちょう座
M27 こぎつね座 惑星状星雲(あれい星雲)
いるか座γ星(二重星)
M15 ペガスス座 球状星団
M31 アンドロメダ座 渦巻銀河
アルマク(二重星) アンドロメダ座
M34 ペルセウス座 散開星団
二重星団(NGC869+884) ペルセウス座 散開星団
上記以外に土星、木星、海王星、天王星、月を観望

ビノテクノ(服部注、BINOKIT+10.2cm3枚玉SDアポ)は、星団、星雲から惑星、月までバランス良く見ることができますね。
個人的には散開星団を見るのが楽しいです。
今回も友人と一緒に行きましたが、木星の縞と月のクレーターに感動していました。

以上、簡単ですが、レポートさせて頂きました。

オーナー様、ユーザーレポートありがとうございました。

ご覧になった天体が夜空のどの位置にあるかを頭の中でなぞっていくと、夏から初秋にかけての見どころを一網打尽にされていることがよく分かります。

散開星団は双眼望遠鏡、特にビノテクノ製10.2cm3枚玉アポのような切れ味鋭い対物レンズにとって、もっとも見応えのある対象です。写真では味わえない感動があります。

どうぞ引き続き観望をお楽しみください。

電子ファインダー考

昔ながらの光学ファインダーが苦手です。理由はいくつか挙げられます。

  1. 倒立像である
  2. 望遠鏡の姿勢によっては覗きにくい
  3. 視野の中央を示す十字線が見づらい
  4. 視野が狭いので空のどのあたりを見ているのか把握しづらい

1と2については、90度正立ファインダーをつかうことでほぼ解決します。

3については、暗視照明を使うことである程度解決しますが、十字線を見やすくするために照明を明るくすると視野全体も明るくなって、暗い星が見づらくなります。またつい照明を消し忘れてしまい、次の観望時に電池切れというのが私の場合よくありました。

4については、広視野のファインダーを使う方法がありますが、今度は中倍率での導入が難しくなります。

もちろん自動導入・自動追尾のGO-TO架台や、エンコーダーを取り付けたPUSH-TO架台を使う場合、そもそもファインダーが要らないのでこれらの悩みは不要ですが、そういった導入支援のない架台の場合、ファインダーは必須なのでこれらの悩みがついて回ります(逆に言えば、こういった光学ファインダーの使いづらさが導入支援のニーズを高めたのかもしれません)。

先日小笠原に持っていった電子ファインダー「アストロイド」もひとつの解決策ですが、導入の最終段階で現れる照準チャートのど真ん中に対象をロックオンする作業に私はいつも手こずります。「もうちょっと上」「もうちょっと右」と微妙に架台を動かしてもすぐに行き過ぎて、なかなか収束しません。慣れの問題とは思いますが、個人的には使い勝手の悪さを感じています。

そういうわけで前置きが長くなりましたが、こんなファインダーを考えてみました(これは新商品の試作ではなくあくまで自分用です)。

まだ試行段階なのでカメラ雲台に直付けしてあります

これはカメラのズームレンズと非冷却COMSカメラを組み合わせたものです。

レンズはヤフオクで手に入れた中古のタムロン17-50mmF2.8ズーム(キャノンEFマウント)、非冷却カメラは昨年まで電子観望に使っていたZWO ASI462Cです。接続はZWOのカメラマウントアダプターです。

同じくZWOが提供しているスマホアプリASICAPで、非冷却カメラの映像をリアルタイムでスマホ画面に映します。

下の写真はこの組み合わせで映した画像です。ズームの設定は最広角の17mmです。ASICAPの設定はゲイン400、露出は1sです。場所は自宅ベランダです。

レンズ焦点距離17mmでのキャプチャ画像

非冷却カメラのチップサイズはヨコ5.6mmXタテ3.2mmなので、レンズ焦点距離17mmの場合、視野は18.7°X10.8°になります。画像の左上隅の輝星がこと座のベガです。こと座の全景が余裕で入っているのが分かります。

さすが超高感度カメラで、肉眼では2等星がやっと見える程度の空でしたが、暗い星までよく映っています。

ここからレンズをズーミングして焦点距離50mmで映した画像が下の写真になります。この場合の視野は6.4°X3.7°になります。少なくとも8等級の星が映っています。

レンズ焦点距離50mmでのキャプチャ画像

比較用に同じ場所のSkySafariのスクリーンショットを掲載しておきます。Ring Nebula(M57)がかろうじて映っているのが分かります。

青い線の長方形が今回のシステム(レンズ焦点距離50mm)の視野角

実際にはスマホ画面を見ながら、まずは最広角で大体の方向を決め、その後最望遠にズーミングして精密に望遠鏡の方向を決めるという使い方になります。

十字線を書き込んだ透明アクリルシートをスマホ画面に貼り付けて、再望遠での十字線中心と、望遠鏡の視野中心を事前に調整しておけば、冒頭に掲げた4つの課題はクリアできそうです。

また望遠鏡への取り付けは金属パーツを特注して行う予定です。微調整を組み込んだ機構になりますが、すでにイメージはできていてそれほど問題ではありません。

と、ここまではバラ色の話だったのですが、少し誤算がありました。最広角と再望遠でピント位置が異なることです。

ZWOのカメラマウントアダプターには0.1mm単位で0.1mmから1.0mmまでフランジバックの調整ができるスペーサーが添付されています。それを使って最広角のピントリング無限大でピントが合うようスペーサー厚みを決めました。ところがこの状態で最望遠にすると、ピントがボケます。ピントリングを近距離側に少し回すとピントが合いますが、その操作はけっこうデリケートです。

キャノンのEFマウントレンズは、ほとんどの場合カメラボディが持っているオートフォーカス機能でレンズ内蔵のモーターを動かしてピントを合わせるのでこれでも困らないと思われますが、今回のような使い方では困ります。

カメラレンズの仕様に詳しくないのでよくわかりませんが、今どきのズームレンズはすべてこういう仕様なのでしょうか?あるいはたまたま今回入手したレンズがこうだったのでしょうか?詳しい方からのアドバイスがいただけるとありがたいです。

昔のFDマウントのようなオールドレンズならこういうことにはならないと思いますが、残念ながらマウントアダプターがありません

仮にEFマウントのズームレンズの仕様がこういうものなら、我慢して毎回ピント合わせをするか、あるいは中間の単焦点距離レンズに変えるか、です。正直Fの明るいズームレンズは重いので、単焦点レンズで済むなら、それはそれでありがたいです。光学ファインダーよりも視野中央への導入が正確にできそうなので、ズームにこだわるつもりはありません。

このあたりの見極めは、実際に望遠鏡に取り付けて検証してみようと思います。

小笠原の天の川

先日ブログで紹介した小笠原ツアーの続報です。ウェザーステーション展望台で星を見ているときに出会った方から素敵な天の川の写真をいただいたので紹介させていただきます。

ウェザーステーション展望台のテラスから撮影

流れる雲がオレンジ色(肉眼ではただの白い雲)に写っているのは、港の光(ナトリウム光?)の影響と思われます。

ウェザーステーション展望台横の駐車場から四阿(あずまや)を見上げたアングル

じっと見ていると、あのときの興奮が蘇ってきます。

今年の星まつりの出店予定

今年は各地の星まつりがリアル開催されるので、ビノテクノは以下の2つの星まつりに出店する予定です。

8/26(金)-28(日) 胎内星まつり(新潟)

9/18(日)-19(月祝) 星をもとめて(京都)

当日は双眼望遠鏡のデモ機を展示いたします。実物を覗く機会は少ないと思いますのでぜひお越しいただいて、双眼の醍醐味を体感してください。

その他処分品やジャンク品も若干用意いたします。

みなさんと直接お会いできることを楽しみにしています。

2018年胎内星まつりの夕方風景

タカハシFOA-60Qビノ

タカハシ製FOA-60Q鏡筒を使った双眼望遠鏡です。

鏡筒中ほどの黒い継ぎ目からアイピース側がエクステンダー1.7XR

FOA-60Qは、口径60mmF8.8のFOA-60鏡筒にエクステンダー1.7XRを標準付属してF15とした鏡筒です。

EZMは通常の2インチバレル差し込みではなく、特注の光路短縮アダプターで取り付けてあります。FOA-60Qの状態で使う場合バックフォーカスに余裕があるのでこの処置は不要ですが、FOA-60の状態でも見たいというオーナー様のご希望でこの仕様にしました。この取付を採用したおかげで、ピント位置の苦しいイーソス17mm(テレビューアイピースデータによると絞り環位置はin側9.9mm)でもFOA-60でピントが出ます。

クレードルは弊社製CRDL-105をベースに、鏡筒バンドの部品だけ特注製作して対応しました。架台に取り付けるためのアリガタ金具はMORE BLUE製自在アリガタです(オーナー様のご希望)。

小笠原で星を見てきました -8(最終回):またいつか

島内の施設も回ったのでいくつか紹介しておきます。

まずは泊まったペンションのすぐ裏手にあった小笠原世界遺産センター。2011年に世界遺産登録されたことを記念して2016年に建てられた施設です。

小笠原世界遺産センター入り口

そしてこちらはおが丸停泊港のすぐそばにある小笠原ビジターセンター。展示内容は先述の小笠原世界遺産センターと重複している部分もありますが、こちらの方が充実かつ網羅されているように感じました。

小笠原ビジターセンター入り口
小笠原ビジターセンターすぐ横のビーチ

小笠原ビジターセンターから車で5分もかからない場所にあるのが小笠原水産センター。ここは小さな水族館です。海に潜ったときは見つけられなかったのですが、ダイバーに人気のあるユウゼンという魚もいました。

小笠原水産センターの敷地内

そしてこちらは小笠原海洋センターです。小笠原海洋センターから車でさらに5分ぐらいです。海洋生物、特にウミガメの研究と展示を行っています。

小笠原海洋センター入り口
小笠原海洋センターすぐ横の海岸

次に買物情報です。父島にコンビニはありません。島内で一番大きいスーパーは下の写真の生協です。店内はスーパーとドラッグストアとホームセンターがミックスされた感じの品揃えです。おが丸入港日は商品が入荷する日でもあるので、その日の夕方店内に入ったらレジに長蛇の列ができていました。並んでいたのは島内の宿泊業の方たちと思われます。

その向かいにももう1軒スーパーがあります。どちらもおが丸停泊港のすぐ横を通る湾岸通りに面しています。そんなに遅くまでやっていません。

それでは困るという人たち御用達のお店もあります。湾岸通りから少し路地に入ったところにある佐藤商店は夜10時まで営業しているそうです。ツアーガイドさんによると、夜おつまみを買い足したいときに重宝するそうです。

この写真を撮ったのは夜中の1時過ぎ。さすがに閉店していました。

食べ物の名物はそれほど多くありませんが、島寿司はいくつかのお店で看板を見かけました。これはサワラの醤油漬け(いわゆるヅケ)を使ったお寿司です。泊まったペンションでも一度夕飯で出ました。さっぱりした味で食べやすいお寿司でした。

中央のオレンジ色の6貫が島寿司。その右のマグロの刺身も美味でした。

それ以外にはハートロックカフェというお店でカメの肉を使った亀煮丼も食べました。カメのいろんな部位が入っているようで見た目が少しグロいのですが、塩ダレのようなもので味付けされていて臭みもなく美味でした。

ハートロックカフェの亀煮丼

この丼を食べ終わったのが最終日(おが丸に乗って帰る日)の午後1時頃でした。出航までまだ2時間ほどありますが、この時間になると湾岸通り沿いの飲食店は一斉に閉店します。もたもたしていると食べそびれるので注意が必要です。

さて、いよいよ帰るときが迫ってきました。

船に乗り込み右舷側のデッキに出ると、岸壁では地元の人たちによる見送りのセレモニーが行われています。宿の従業員さんやツアーガイドさんと思われる人たちが大勢集まって船に手を降ってくれました。

岸壁では見送り太鼓が叩かれていました

小笠原では見送りのことばは「さようなら」ではなく、「また来てね」の気持ちを込めて「いってらっしゃい」だそうです。実際小笠原に来る観光客の半分以上はリピーターさんと言われています。その気持はよくわかります。

午後3時、出航を告げる銅鑼の音が響いていよいよおが丸が桟橋から離岸します。

桟橋付近ですらこの海の色!

見送りのパフォーマンスはこれで終わりではありません。出航したおが丸の右側を、父島のツアーに使っているボートが10隻以上並走し、乗っている人たちがこちらに手を降ってくれます。最後は順次ボートを止め、一斉のせいで海に飛び込んで、見送りの気持ちを私たちに伝えてくれました。おが丸に乗っている私たちも手を降ってこれに応えました。

一斉に海に飛び込む瞬間

並走していたボートからの飛び込みセレモニーが一通り終わると、最後尾にいた海上保安庁の高速ボートがすべてのボートを一気に追い越してからUターン。見送りのセレモニーがすべて終わったことを無言のうちに伝えていました。

高揚感と喪失感を抱きながら船室に戻り、しばしベッドでゴロゴロ。その後日没を見に屋外デッキに出ましたが、グリーンフラッシュは見えませんでした。

22時前、再び屋外デッキに出ました。22時を過ぎると出られなくなるのでその前に夜空の見納めです。そこそこ晴れていて、さそり座、いて座、夏の大三角、そしてうっすらと天の川が見えていました。帰りは船尾側が南になるのでこの景色が見られます。

そして爆睡。かろうじて日の出前に目が覚めて屋外デッキへ出るも空は雲だらけ。グリーンフラッシュは早々に諦めて再びベッドへ。行きに見えたことはやはり超ラッキーと言う他ありません。

昼過ぎ、おが丸は房総半島沖を通過。海の色がどんどんどす黒くなってきました。スマホの電波も受信可能になってゆっくりと現実の世界に戻っていきます。

15時。予定通り竹芝客船ターミナルに到着。船を降りてJR山手線に乗ると、周りは平日の日常風景。濃密な6日間の旅が終わったことを実感しました。

最後に旅の費用ですが、海のアクティビティ代も含めてざっと20万円といったところです(船室のランクを落とせばさらに節約可能)。国内旅行としては高いかもしれませんが、海外旅行と思えばそれほどでもありません。

同様に、6日間という日数も国内旅行としては長いのですが、海外旅行と思えば普通です。むしろ日本語が通じて治安がよく、ビザもパスポートも要らない海外旅行と思えばお値打ちです。

長くなりましたが以上で小笠原ツアーのブログは終了です。帰ってくると何かを語らずにはいられない魅力が、小笠原には満ち溢れていました。いつかまた機会をみつけて行ってみたいと強く願っています。みなさんもぜひどうぞ。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

小笠原で星を見てきました -7:海のアクティビティ

小笠原を訪れる観光客のお目当ては9割以上海のアクティビティです。スキューバダイビング、スノーケリング、シーカヤック、ウェイクボード、釣り、などなど。ただしサーフィンは見かけませんでした。ビーチの波がそれほど高くないのと、海底のほとんどがサンゴ礁なので向かないのだと思います。

今回のツアーでは欲張って、私もスノーケリングとスキューバダイビングに挑戦しました(どちらも初体験!)。

スノーケリングレッスン(到着1日目午後)

海に入るのはおよそ35年ぶりです。

父島ではスノーケリングやスキューバのツアーがたくさんあります。ただしほとんどが経験者向けです。あるツアーに問い合わせたときは「45歳以上の未経験者はちょっと、、、」という回答でした。惜しくも何ともない年齢制限です(笑)。それでも探したら見つかったのは、小笠原エコツーリズムリゾート(TAKE NATURE ACADEMY)のツアーでした。体力や経験に応じていくつかのメニューが用意されています。まず最初に参加したのが、父島到着日の午後のみ開催のスノーケリングレッスンでした。

スノーケリング3点セット(スノーケル、ゴーグル、フィン)やウェットスーツは事前に予約しておけば貸してくれます(有料)。ゴーグルは度付きのものを借りました。

レッスンではゴーグルの正しい付け方、ゴーグルに水が入ったときの出し方、スノーケルに水が入ったときの出し方、フィン(足ひれ)を付けての泳ぎ方などを学びます。

ウェットスーツは浮力があるので溺れる心配はありません。若いときに平泳ぎができる程度だったのですが(25メートルレベル)、フィンを付けて学んだ通りに足を動かすとあら不思議、ちゃんと前に進みます。岸から20メートルほど離れるとすでに足がつかない深さ。身体をうつ伏せの水平に保ってゴーグル越しに海の底を見るとサンゴ礁が見えます。ちょっと感動しました。

スノーケリングレッスンを受けた宮之浜。遠くに見える山は父島の北にある無人島の兄島。

さらに沖の海面でチャプチャプ30分ほど遊んでいたらガイドさんから「そろそろ岸に上がりますね」の声。そのときになって両足がつり気味になってきました。ふだん運動らしい運動をしていないので、ちょっとの負荷でこんなはめに陥ります。ウェットスーツがあるので溺れる心配はありませんが「服部さん、大丈夫ですか?」の呼びかけに「足がつりました」と正直に応えたら、2人の若い女性ガイドが私の両脇を抱えて岸まで連れて行ってくれました。情けない気持ちを抱えつつスノーケリングレッスン終了です。

南島上陸(2日目午前&午後)

同じくの小笠原エコツーリズムリゾート(TAKE NATURE ACADEMY)の南島上陸ツアーに参加しました。

南島は父島の南西にある小さな無人島です。島全体が天然記念物に指定され、一日の上陸者数は100人以下、滞在時間は2時間以内に制限されています。

朝8時半、おが丸が停泊する港の近くに集合。参加者は20名程度。2隻のボートに分乗してさっそく南島に向かいます。時間にして20分ぐらい。南島の近くに来るとかなり波が高くなってきました。「場合によっては上陸できないこともあります」というガイドさんの説明もありましたが、波が少し収まったタイミングを見計らって南島の南側の入江にボートは突入。入江に入ると別世界のような穏やかな海に変わりました。参加者全員思わず拍手。

金属製の階段が取り付けられた岩場に接岸し、いよいよ南島に上陸です。島内の歩行ルートは決められていて、そこから外れての立ち入りはできません。まずは島内の最高点(60m)を目指して登ります。尖った岩が多いので、鼻緒だけのビーチサンダルは論外。簡単に脱げない靴が必須です。

上陸後の南島の入江の景色。海の透明度はこの世のものとも思えないほどでした。

最高点にたどり着くと360度のパノラマが広がります。海の青さが濃いです。

南島から南東方向の景色。左端の島影は父島。

目線を下に向けると、南島の人気スポットの扇浜が見えます。

最高点から写した扇浜

その扇浜に降りて30分ほど散策しました。

扇浜で見かけたカニさん

あっという間に滞在時間終了。再びボートに乗り込んで父島方面へ。途中イルカの群れを発見したのでボートは接近します。このイルカがミナミハンドウイルカなら人間と一緒に泳いでくれることもあるそうですが、ガイドさんによると、背びれの形からこれはハシナガイルカ。残念ながら一緒には泳いでくれない種類だそうです。

それでもここにボートを止めてスノーケリングタイム。昨日のレッスンが生きました。海の底を見ると、深いところをイルカの群れが通過していくのが分かりました。ちなみにこの日着たのはウェットスーツではなくスノーケルベスト(レンタル)。ライフジャケットほどの浮力はありませんが、これを着ていれば、ウェットスーツ同様、溺れることがありません。

その後計4箇所場所を変えながらスノーケリングタイム。足がつることもなく、海面から海中の景色を楽しみました。どの場所も海底はサンゴ礁、いろいろな色の熱帯魚が普通に泳いでいました。

最も魚影が濃かったスノーケリングスポット

夕方4時前に帰港してツアー終了です。

スキューバダイビング(3日目午後)

今度は酸素ボンベを背負って海に潜るスキューバダイビングです。私のようなど素人でも受け入れてくれるツアーを催行しているのはST TOUR(エス・ティー・ツアー)さんです。

昨日と同じ港からボートに乗って15分ほどのスポットに到着。さっそくガイドさんが丁寧に機材の説明をしてくれました。さすがにスキューバダイビングの機材はスノーケリングより複雑で重いです。船上で酸素ボンベを背負うと立ち上がるのもたいへんです。

ところがガイドさんの指示に従って船尾の階段伝いに海に入ると途端に軽くなります。そこからいきなり泳ぐのは無理なので、船から垂らされたロープ伝いに、慎重に海底に向かって降りていきます。途中水圧で耳が痛くなるので、その都度少し上がって耳抜きを行いました。

何とか海底に到着。ガイドさんの指示に従ってサンゴの隙間にある砂地に膝をつき、そばにあるサンゴを両手でつかんで身体を固定しました。つかんだらサンゴがもげるのではと心配しましたが、意外にしっかりしています。水中でも使える筆談ボードでガイドさんが「おがさわらのうみにようこそ」と歓迎メッセージをくれました。続けてこのときの水深が7.3メートルであることも教えてくれました。

落ち着いてまわりを見渡すと、いろいろな種類の熱帯魚が人間のことなどまったく気にせず優雅に泳いでいます。目の前に立ち止まった黄色の魚は胸びれをはためかせながらしばらく目を動かしてキョロキョロし、その後またどこかに行ってしまいました。少し離れたところにはタコもいました。まるで熱帯魚の水槽にいる気分です。

しばらくして浮上。体感20分ぐらいかと思ったら、40分ほど潜っていたそうです。1時間ほど休憩して再度潜水。1回目よりは落ち着いて潜れました。この体験は一生物です。

ガイドの武田さん。この笑顔が緊張を解してくれました。

1時間の休憩の間、ガイドの武田さんが小笠原についていろいろな話をしてくれました。

小笠原で武田さんのようなガイドをしている人の8割、9割はよそから来た人だそうです。実際武田さんも関東出身で、オーストラリア、フィジーで海のツアーガイドをしたあと、小笠原に来たそうです。

島内には「空港建設を」という垂れ幕もありましたが、島民はそれほど歓迎しているわけでもなく、そんなお金があるならおが丸をもう1隻作って欲しいという要望もあるそうです。父島にはもともと長い滑走路の空港を作るほどの平地がなく、海を埋め立てて作ったとしてもせいぜい80人乗りの飛行機しか離着陸できないからです。たしかに経済効果の観点で見れば、800人乗りのおが丸の方がメリットがありそうです。

また父島はとても治安がいいそうです(実際そう感じました)。そもそも自然いっぱいのこの素敵な土地で悪いことをしようという気など起こさないでしょうし、逃げる手段もおが丸しか無いので簡単に捕まります。なので大きな犯罪は聞いたことがないそうです。

一刻を争う急病の場合は、硫黄島に駐留する自衛隊のヘリが飛んできて一旦硫黄島に移送され、そこから自衛隊のジェット機で(本州の)東京に運ばれるそうです。ただしよほどのことがない限りこの手段は認められないそうです。

こんな話が聞けたことも貴重な体験となりました。

以上が私の体験した海のアクティビティです。これらのツアーはすべて事前予約が必要です。参加される方はあらかじめ目星をつけておいて、おが丸乗船が確定したらすぐに予約を入れておくことをお勧めします。