島内の施設も回ったのでいくつか紹介しておきます。
まずは泊まったペンションのすぐ裏手にあった小笠原世界遺産センター。2011年に世界遺産登録されたことを記念して2016年に建てられた施設です。
そしてこちらはおが丸停泊港のすぐそばにある小笠原ビジターセンター。展示内容は先述の小笠原世界遺産センターと重複している部分もありますが、こちらの方が充実かつ網羅されているように感じました。
小笠原ビジターセンターから車で5分もかからない場所にあるのが小笠原水産センター。ここは小さな水族館です。海に潜ったときは見つけられなかったのですが、ダイバーに人気のあるユウゼンという魚もいました。
そしてこちらは小笠原海洋センターです。小笠原海洋センターから車でさらに5分ぐらいです。海洋生物、特にウミガメの研究と展示を行っています。
次に買物情報です。父島にコンビニはありません。島内で一番大きいスーパーは下の写真の生協です。店内はスーパーとドラッグストアとホームセンターがミックスされた感じの品揃えです。おが丸入港日は商品が入荷する日でもあるので、その日の夕方店内に入ったらレジに長蛇の列ができていました。並んでいたのは島内の宿泊業の方たちと思われます。
その向かいにももう1軒スーパーがあります。どちらもおが丸停泊港のすぐ横を通る湾岸通りに面しています。そんなに遅くまでやっていません。
それでは困るという人たち御用達のお店もあります。湾岸通りから少し路地に入ったところにある佐藤商店は夜10時まで営業しているそうです。ツアーガイドさんによると、夜おつまみを買い足したいときに重宝するそうです。
食べ物の名物はそれほど多くありませんが、島寿司はいくつかのお店で看板を見かけました。これはサワラの醤油漬け(いわゆるヅケ)を使ったお寿司です。泊まったペンションでも一度夕飯で出ました。さっぱりした味で食べやすいお寿司でした。
それ以外にはハートロックカフェというお店でカメの肉を使った亀煮丼も食べました。カメのいろんな部位が入っているようで見た目が少しグロいのですが、塩ダレのようなもので味付けされていて臭みもなく美味でした。
この丼を食べ終わったのが最終日(おが丸に乗って帰る日)の午後1時頃でした。出航までまだ2時間ほどありますが、この時間になると湾岸通り沿いの飲食店は一斉に閉店します。もたもたしていると食べそびれるので注意が必要です。
さて、いよいよ帰るときが迫ってきました。
船に乗り込み右舷側のデッキに出ると、岸壁では地元の人たちによる見送りのセレモニーが行われています。宿の従業員さんやツアーガイドさんと思われる人たちが大勢集まって船に手を降ってくれました。
小笠原では見送りのことばは「さようなら」ではなく、「また来てね」の気持ちを込めて「いってらっしゃい」だそうです。実際小笠原に来る観光客の半分以上はリピーターさんと言われています。その気持はよくわかります。
午後3時、出航を告げる銅鑼の音が響いていよいよおが丸が桟橋から離岸します。
見送りのパフォーマンスはこれで終わりではありません。出航したおが丸の右側を、父島のツアーに使っているボートが10隻以上並走し、乗っている人たちがこちらに手を降ってくれます。最後は順次ボートを止め、一斉のせいで海に飛び込んで、見送りの気持ちを私たちに伝えてくれました。おが丸に乗っている私たちも手を降ってこれに応えました。
並走していたボートからの飛び込みセレモニーが一通り終わると、最後尾にいた海上保安庁の高速ボートがすべてのボートを一気に追い越してからUターン。見送りのセレモニーがすべて終わったことを無言のうちに伝えていました。
高揚感と喪失感を抱きながら船室に戻り、しばしベッドでゴロゴロ。その後日没を見に屋外デッキに出ましたが、グリーンフラッシュは見えませんでした。
22時前、再び屋外デッキに出ました。22時を過ぎると出られなくなるのでその前に夜空の見納めです。そこそこ晴れていて、さそり座、いて座、夏の大三角、そしてうっすらと天の川が見えていました。帰りは船尾側が南になるのでこの景色が見られます。
そして爆睡。かろうじて日の出前に目が覚めて屋外デッキへ出るも空は雲だらけ。グリーンフラッシュは早々に諦めて再びベッドへ。行きに見えたことはやはり超ラッキーと言う他ありません。
昼過ぎ、おが丸は房総半島沖を通過。海の色がどんどんどす黒くなってきました。スマホの電波も受信可能になってゆっくりと現実の世界に戻っていきます。
15時。予定通り竹芝客船ターミナルに到着。船を降りてJR山手線に乗ると、周りは平日の日常風景。濃密な6日間の旅が終わったことを実感しました。
最後に旅の費用ですが、海のアクティビティ代も含めてざっと20万円といったところです(船室のランクを落とせばさらに節約可能)。国内旅行としては高いかもしれませんが、海外旅行と思えばそれほどでもありません。
同様に、6日間という日数も国内旅行としては長いのですが、海外旅行と思えば普通です。むしろ日本語が通じて治安がよく、ビザもパスポートも要らない海外旅行と思えばお値打ちです。
長くなりましたが以上で小笠原ツアーのブログは終了です。帰ってくると何かを語らずにはいられない魅力が、小笠原には満ち溢れていました。いつかまた機会をみつけて行ってみたいと強く願っています。みなさんもぜひどうぞ。
最後まで読んでいただきありがとうございました。