小笠原で星を見てきました -2:おが丸に乗るにあたって

前回書いた通り、小笠原諸島に行くにはおがさわら丸(通称「おが丸」)に乗るしかありません。このチケットの入手方法はいくつかあります。私の場合は宿とセットになったツアーを扱うナショナルランド(小笠原旅行専門のツアー会社)を通じて申し込みました。正確な比較はしていませんが、一般的な旅行会社のツアーよりもお値打ちのようです。

おが丸に乗船する竹芝客船ターミナル(JR浜松町駅から徒歩約10分)

ツアーを申し込むにあたって最初に決めなければいけないのは、母島まで行くかどうかです。母島へ行くには父島で船を乗り換えて、さらに片道約2時間の船旅になります。父島よりもさらに人口が少ないので、いっそう空が暗いことが期待されますが、往復で4時間以上、つまり約半日船に乗る時間が増えてしまいます(父島・母島間の船はほぼ毎日運行)。その時間が惜しかったのと、今回欲張って海のアクティビティもしたかったので、それが充実している父島オンリーのツアーとしました。ちなみに母島にもペンション等の宿泊施設はありますが、その数は父島に比べるとぐっと少ないようです。

おが丸は約800人乗れる大型客船(私が行ったときは新型コロナの関係で約500人乗船)で、船室はいくつかのグレードに分かれています。プライバシーが確保されるのは2等寝台からになります。私の場合、行きは1等室、帰りはそれよりワンランク下の特2等寝台を利用しました。特2等寝台はベッド横の通路に他人が入ってこない構造になっているので、比較的セキュリティが確保されます。上のランクになればなるほど快適ですが、お値段もそれなりになるので、私としては特2等寝台で十分でした。

出発の4ヶ月ほど前にツアーの申込みを行いましたが、船室も含めてツアーが確定するのは約2ヶ月前です。これはナショナルランドの都合ではなく、おが丸を運行する小笠原海運の都合と思われます。ナショナルランドによると、早く申し込めば希望の船室が予約できるというわけでもなく、かといって抽選でもないそうです。じゃあ、どうやって決めるの?と思いましたが、結果としては希望通りの船室で行けることになりました。

今回少し面倒くさかったのは、直前のPCR検査が必要だったことです。これはいずれなくなると思いますが、私が行ったときはまだ必要でした。出発の1週間ほど前に検査キットが送られてきて、出発前日の96時間以内にサンプリングした検体を送り返しました。出発の前日までに連絡がなければ陰性ということだったので、ちょっとどきどきでした。万が一陽性の場合はもちろん船に乗れず、予約もすべてキャンセル(有料!)となります。結局陽性の連絡がなかったので、無事出発できることになりました。

竹芝客船ターミナル内のナショナルランドブース。ここで乗船チケットを受け取る。

小笠原で星を見てきました -1:はじめに

6/29-7/4の日程で小笠原諸島・父島へ行って、ものすごい天の川を見てきました。何回かに分けてそのレポートをさせていただきます。

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まずは小笠原諸島についてですが、東京から南へ約1,000キロ。人が住んでいるのは父島(人口約2,000人)と母島(人口約450人)だけです。

出航直前のおがさわら丸

父島に空港はないので、行くには6日に1回東京から出航する「おがさわら丸」に乗るしかありません。なので最低でも6日間の旅程になります(ただし夏休み等のハイシーズンは3日に1回出航するようです)。

しかもこの船旅、片道きっちり24時間かかります。したがって6日間の旅行といっても、現地で3泊、残りの2泊は船中泊となります。つまり星を見るチャンスは3晩しかありません。

星見を計画したのは半年以上前からですが、意外なことに小笠原の詳細な星見情報をネットで見つけることができませんでした。実際現地でも本格的に星見をしている人には出会えませんでした。ロケーションから考えると空の暗さは容易に想像できるのですが、「船しかない」「最低6日間」がハードルとなって、実際に行く人は少ないのかもしれません。

そういう意味でこのレポートは、これから小笠原行きを計画される方の参考になるような情報を盛り込んでいきたいと思います。