EZPとEZM、原理は同じ

すでにご存知の方もいらっしゃると思いますが、EZPEZMはどちらも、像が正立して直角視できる原理はまったく同じです。今回はその説明をさせていただきます。

まずEZPですが、こちらはアミチプリズムの2回反射で像を正立させています。そのイメージは、笠井トレーディングHPのEZP紹介ページの動画にあるとおりです。

一方EZMは、平面ミラーの2回反射で像を正立させています。そのイメージと原理は、ビノテクノHPの技術解説「EZMの機能と原理」をご覧ください。

一見すると別の理屈に見えますが、実は対物レンズからやってくる光路が2回反射で描くベクトルは、どちらもまったく同じです。それを理解していただくため、上記動画にさらに手を加えました。それが下記の動画です。

手を加えたのは、入り口と出口の円、そしてその円を反射面に投影した2つの楕円です。ちなみにこの楕円の長径:短径比は2:1になります。これは、EZM(正立天頂ミラー)の楕円ミラーの理論比と同じです。つまりEZMは、アミチプリズムの反射面に沿って2枚のミラーを配置したものであることが分かっていただけると思います。

 

※ 以前から「正立天頂ミラーはアミチプリズムの一種」とおっしゃる方がいらっしゃいます。像の正立原理だけをみればそのとおりですが、このアミチプリズムを見て、底に平面ミラーを仕込んだ頂角60度の2つのケースをひねってつなぎ合わせる構造を誰が着想できるでしょう。これを着想して形にされた松本龍郎氏には、今でも畏敬の念を抱いています。

EZPを使った双眼望遠鏡(ユーザー様より)

EZP(天頂正立プリズム)はまだ発売したばかりですが、さっそくペアで購入して双眼望遠鏡に仕立てられたユーザー様がいらっしゃいます(その素早さに驚いています)。その写真を紹介いたします。

鏡筒はAPMの8センチ、架台はSLIKのTELE BALANCEのようです。

EZPはEZMのようなXY微調整機構が組み込めないので、左右の鏡筒を正しく平行に取り付ける必要があります。鏡筒の平行を微調整する機構は無いようですが、ある程度平行を追い込まれたようで、30倍程度なら快適とのことです。

新製品「EZP」

本日より新製品「EZP」の販売を開始します。

EZP(Erecting Zenith Prism)は、笠井トレーディングと共同開発したアメリカンサイズ(31.7mm)アイピース専用の正立天頂プリズムです。

製品の詳しい仕様や特長は、ビノテクノの商品ページ笠井トレーディングの商品ページをご覧ください。

この商品はビノテクノ、笠井トレーディング、および販売店からご購入可能です。

またこのEZPを使った小口径用双眼望遠鏡も開発中です。出来上がり次第このブログで紹介させていただきます。

パラリンピックに思うこと

今日(9/5)でパラリンピックが閉幕しました。自国開催ということもあってたくさんの競技をテレビで観ることができました。おかげでやっとパラリンピックの意義が私なりに理解できました。端的に言えばパラリンピックは、やり抜く意思の大切さをあらためて私に教えてくれました。

パラのアスリートたちは、自分が負っているハンディを嘆いてなどいません。残っている機能を最大限活用して武器のレベルにまで磨き上げています。やり抜く熱い意思でたくさんのサポートを集めています。

「障害があるのに頑張ってるね」などという感想はとんでもない上から目線、失礼の極みです。パラのアスリートを見て感じるのは、「自分はあの人達ほど頑張っていない」という自省です。何かがないことをやらないことの言い訳にしていないか、やるといいながら勝手にやめていないか、何がしたいかをきちんと周りに伝えているか。

障害があろうがなかろうが、やり抜く意思は大切です。それができている人には最大限のリスペクトを捧げたいです。頑張らなければならないのは、それができていない自分です。

Ninja320 on AZ-EQ6GT-J

以前このブログで紹介した改造AZ-EQ6GT-J架台に、Ninja320鏡筒を載せた写真をオーナー様からいただいたので紹介させていただきます。

接眼部が高くならないよう、ピラー高さがかなり低く切り詰めてあります。

AZ-EQ6GT-Jはそんなに小さい架台ではありませんが、Ninja320鏡筒を載せるとさすがに小さく見えます。これでもオーナー様の話によると、200倍でも問題なく追尾できたそうです。AZ-EQ6GT-Jのポテンシャルは高いです。