すでにご存知の方もいらっしゃると思いますが、EZPとEZMはどちらも、像が正立して直角視できる原理はまったく同じです。今回はその説明をさせていただきます。
まずEZPですが、こちらはアミチプリズムの2回反射で像を正立させています。そのイメージは、笠井トレーディングHPのEZP紹介ページの動画にあるとおりです。
一方EZMは、平面ミラーの2回反射で像を正立させています。そのイメージと原理は、ビノテクノHPの技術解説「EZMの機能と原理」をご覧ください。
一見すると別の理屈に見えますが、実は対物レンズからやってくる光路が2回反射で描くベクトルは、どちらもまったく同じです。それを理解していただくため、上記動画にさらに手を加えました。それが下記の動画です。
手を加えたのは、入り口と出口の円、そしてその円を反射面に投影した2つの楕円です。ちなみにこの楕円の長径:短径比は2:1になります。これは、EZM(正立天頂ミラー)の楕円ミラーの理論比と同じです。つまりEZMは、アミチプリズムの反射面に沿って2枚のミラーを配置したものであることが分かっていただけると思います。
※ 以前から「正立天頂ミラーはアミチプリズムの一種」とおっしゃる方がいらっしゃいます。像の正立原理だけをみればそのとおりですが、このアミチプリズムを見て、底に平面ミラーを仕込んだ頂角60度の2つのケースをひねってつなぎ合わせる構造を誰が着想できるでしょう。これを着想して形にされた松本龍郎氏には、今でも畏敬の念を抱いています。