BigBino譲ります

本来はBigBinoのホームページで告知すべき内容ですが、たくさんの方に見ていただけるこちらに案内させていただきます。

1997年に製作し、その後何回かの改造を経て現在はプレイベート観測所に設置してある25センチ屈折双眼鏡(通称「BigBino」)を処分することにしました。詳しいスペックはこちらをご覧ください。

2014年双望会会場にて撮影

譲渡価格は現状渡しで120万円(プレイベート機材の譲渡なので消費税は不要)。ただし写真に写っているバッテリーやアイピースは含みません。ファインダー75SDHF、導入支援NEXUS(エンコーダ付き)は含みます。錆びているネジ類は、ご希望があれば実費で新品と交換します。

運搬をご希望の場合は、専門業者を使うので、これも実費でご負担ください。距離によりますが、10万円前後かかると思われます。もちろん引き取りに来ていただけるなら運搬費用は不要です。

また設置先での組立調整支援をご希望の場合は交通費の実費負担をお願いします(遠隔地なら宿泊費も)。

関心のある方は服部(JCG01470@nifty.ne.jp)までご一報ください。まずは現状が見たいという方も歓迎です。

Ascar203ビノ納品完了

Ascar製品の最大口径203mm鏡筒(3枚玉アポ)による双眼望遠鏡が完成したので納品に立ち会ってきました(三重県内)。元請けはアイベル様で、ビノテクノは正立ミラー部とクレードル部のみを製作しました。据付作業は昼過ぎから始まっていましたが、、私は夕方から参加し、左右鏡筒の平行の最終調整を行いました(とはいってもほとんど無調整で左右が一致しました)。

据付完了後の勇姿

架台は中央光学製です。写真で見ると鏡筒が小さく見えますが、それは架台が大きいからです。鏡筒の実物は巨大です。

フードのロゴもかっこいい!
接眼部付近

第1ミラーがラージミラー仕様の特注EZMです。

納品前に撮影したクレードル部

最近まで大口径用特注クレードルは精密加工した鏡筒バンドを用意していましたが、今回はCRDL-miniの技術を移植した設計にしました。左側が目幅調整ステージで、右側が上下左右微調整ステージです。これにより、鏡筒に付属している鏡筒バンドやアリガタ金具が使えるようになりました。このコストダウン効果は大きいです。
ちなみにアリミゾ金具はMORE BLUE製です。アリガタ金具(写真のオレンジのプレート)が長いので、片方の鏡筒あたり2個使っています。
また徒(いたずら)にアルミプレートの厚みを増さず(最大厚み15mm)、要所要所にリブを入れて剛性を高め、軽量化が図ってあります。

大口径の双眼望遠鏡製作は数年に一回の仕事ですが、失敗が許されないのでそれなりに緊張します。その分無事完成すると感慨ひとしおです。

EZM調整原点

これまで特に説明してこなかったのですが、EZMペアの右側用に取り付けてあるX-Y調整ネジには「調整原点」が施してあります。

EZMはレーザーポインターを使った自家製のアライメント調整治具でミラー角度を精密調整して出荷しています。このときのX-Y調整ネジの位置を覚えておくため、ネジの頭にベビーグラインダーで、EZM筐体底面の合いマークと向かい合う位置に調整原点を施しています。

実際に双眼望遠鏡に取り付け、両目で見ながら調整すると、調整原点と合いマークが多少ずれることがありますが(概ね1/6回転以下)、その原因は、アイピース取り付けのガタとか、ドロチューブのわずかな傾きです。弊社製クレードルは鏡筒平行が精密に確保されているので、ずれる原因になることはありません。

ビノテクノ創業以来今まで一度も「回しすぎて原点がわからなくなった」というご連絡をいただいたことはありませんが、先日「このマークは何?」というご質問をいただいたので、この機会に紹介させていただきます。

ちなみにEZM筐体底面の中央に貼ってあるテプラ「AG」は銀メッキミラーを表しています。「AG」の他に「AL」がアルミメッキミラー、「DI」が誘電体コートミラーを表しています。

ステッカー制作しました

BINOKITのオプション、9cm 3枚玉SDアポ対物レンズユニット用に、ステッカーを制作しました。

これからご注文いただいた分にはこのステッカーを貼って出荷します。

すでにご購入いただいた方で、このステッカーをご希望の方はご連絡ください。無償で差し上げます。

BINOKIT+9cm対物ユニット インプレッション

先日紹介したBINOKIT on HF2経緯台のオーナー様から、初観望のレポートをいただいたので紹介させていただきます。

昨日夜からビノで初めて本格的に観望することができました。
春霞みはあったものの、一晩中快晴で楽しめました。
まず見たのは西に沈みかけのぎょしゃ座のあたりです。
冬の天の川の微光星が視野いっぱいに広がり、思わずため息が出る美しさでした。
そのまま流していくとM37からM36、M38が次々と視野に入り、周囲の星の中に島のように浮き上がっている姿が印象的でした。
この日ベストの対象はM44でした。M44は大きすぎ、長焦点の望遠鏡ではあまり美しく見えたことが無く、好きな対象ではありませんでした。
ところが、アスフェリック31mmとの組み合わせでちょうどよく視野におさまり、まるで黒い布に真珠をばらまいたような姿がとても美しく、この日何度も見てしまいました。
M3、M5、M13などの球状星団も手持ちの4cm程度の双眼鏡では「存在確認」程度の見え方だったのが、さすがに9cmもあると特徴的な姿をはっきり確認することができ、双眼視ということもあり低倍率でも意外と大きく感じました。今まで小さい対象という印象のあった球状星団の視直径は意外と大きいことに気づかされました。
2時ごろになると月とともに夏の星座が顔を出し始め、半月によって夜空は一気に明るくなってしまいました。
それでも夏の天の川にビノを向けると、星団や星列が視野いっぱいに広がり、壮観な眺めでした。
アルビレオはちょうどよい倍率に感じました。色の対比が美しく、大量の微光星をバックに夜空に浮かぶ姿に息をのみました。

以下、ビノと架台のレビューです。
ビノの第一印象は、この大きさにしてよかったということです。
対空双眼の難点は大きくかさばるという点かと思いますが、9cmの口径を欲張らないコンパクトなサイズで、とても扱いやすいです。
自宅のベランダが狭く、長い屈折鏡筒は使えないのですが、このサイズなら出すことができました。
ビノを持ってベランダと家の中を往復するにも取り回しがよく、これならちょっとした観望でも出す気になれます。
また、収納スペースをとらないのも便利です。フードを縮めてEZMを外すと長さ41cmほどになり、そのへんにある普通のサイズのラックに無理なく置くことができました。
さらに、運搬にも好都合でした。コンパクトカーの狭い荷室にも縦向きですっぽり収まるサイズで、載せ方をあれこれ悩まなくてすみました。
口径は9cmと限られているのでDSOは苦手な対象ですが、このビノと20cm反射などの大口径の鏡筒と一緒に持っていくのがよいと感じました。
その点、このビノはコンパクトなので、昨日の遠征ではビノと20cm反射を両方持っていくことができました。これが10cmを超えるビノだと私の車ではかなり厳しいと思いました。
ビノは低倍率のアイピースで固定で使い夜空を流し、単眼の大口径でDSOを見るといった組み合わせの相性がよさそうです。
ちなみに私の妻と一緒に観望に行ったのですが、ビノが楽しいようで私と取り合いになりました(笑)。
妻は単眼の望遠鏡はあまり楽しくないようで、今までは椅子に座って手持ちの双眼鏡ばかり使っていたのですが、このビノは「いいね!」と言ってもらえました。
眼幅やXY調整も初めての使用でもあっという間に調整することができ、調整が難しそうだという心配は杞憂でした。

次に架台です。
フォーク式は初めて使いましたが、T字の経緯台などに比べて全体がコンパクトに収まり、想定通り狭いベランダでも使えました。
覗きながら夜空を流すときに顔の位置を大きく動かさなくてよいのも、地味ながら利点に感じました。
当方はビクセンのASG-CB90カーボン三脚と組み合わせてみましたが、椅子に座って見るのにちょうどよい高さになり、ビノを十分支える強度がありながら軽量・コンパクトなので相性がよいと感じました。ビノと架台で20kg以内に余裕で収まり、平日にちょっと出すという使い方も十分できそうです。
試しに5mmのアイピースで木星を見てみましたが、普通のシーイングの日なら十分楽しめる解像感がありました。
ただ、HF2経緯台は低~中倍率の機材を想定しているようで、高倍率では特に高度軸のフリクションが一定以上あるので微動装置が欲しくなりました。やはりアドバイスいただいた通り50倍程度までが快適そうでした。それでも短時間であれば100倍くらいでも手動追尾はさほど大変ではなさそうです。
また、アスフェリック31mmとの組み合わせでは耳軸の位置よりもやや上に重心があるようで、天頂付近ではビノが「おじぎ」することが何度かありました。
しかしこの点は、汎用プレートの下に夜露対策ヒーターのバッテリーでも付けようかと考えていましたので、それでバランスをとれるのでむしろ好都合だったかもしれません。

総合すると、さっと出してさっと運べるセットで、今まで双眼望遠鏡の大きさや重さに抵抗を感じて踏み出せなかったのですが、これなら気軽に使い倒せそうです。
90mm F540という組み合わせは、8cmでは物足りないけど10cmでは大きく重すぎるというときの絶妙な妥協点と感じます。
低倍率を出しやすく、同時に9cmの光集力で星雲星団も美しく見え、夜空をあてもなく流すのにベストなスペックだと思いました。
これから夏の対象が見やすくなってくるので、とても楽しみです!

オーナー様、素敵なレポートありがとうございました。明け方近くまでご夫婦で楽しまれた様子が手に取るように分かります。製作者冥利に尽きます。

おっしゃるとおり、この対物レンズユニット(9cmF6)は、大きすぎず、小さすぎず、絶妙な組み合わせです。どうぞ引き続きこのビノで、楽しい時間をお過ごしください。

EZMの納期と価格について

先月今月と、いまだかつてないペースで注文をいただき、まだ数ヶ月は大丈夫と思っていたEZMのパーツがあっという間に払底してしまいました。次ロットのパーツはすでに発注済みですが、入荷は6月以降になると思われます。ついては明日以降ご注文いただくEZMやそれを含む製品(BINOKIT等)の納品は6月以降になります。お待たせすることになって大変恐縮ですが、どうかご承知おきください。

また円安の影響でパーツの調達コストがかなり上がりそうです。ついてはこれもまた恐縮ですが、6月以降EZMの価格を5~10%値上げします。新価格の確定はパーツ入荷時期の為替レート次第です。

なお、納品は次ロットパーツ入荷後になりますが、5/31までに注文くださった方へは、現状価格で販売いたします。販売店様経由で注文くださった方も同様です。

ご不便をかけますがどうかよろしくお願いします。

BINOKIT on HF2経緯台

先日納品したBINOKITを紹介させていただきます。

お客様のご要望で、ビクセンHF2経緯台に載せました。対物レンズはオプションの9cm3枚玉SDアポ対物レンズユニットです。この対物レンズユニットはコンパクトなので、比較的華奢なHF2経緯台に載せても違和感がありません。BINOKIT本体もコンパクトなので、ビクセン汎用プレートのコの字の中に余裕で収まっています。

HF2経緯台のフォークはオリジナル状態で45度ぐらいの角度になります。それでは転倒の恐れがあるので、写真のような角度で固定できるようHF2経緯台の水平支持軸に追加工がしてあります(割りとよく行う追加工です)。

汎用プレートの深さをいっぱいに伸ばした状態でBINOKITが載せてあります。これにアイピースをつけると、クランプフリーの状態で、天頂姿勢のバランスが取れています。

少しわかりにくいのですが、BINOKITを底から見た写真です。先述の通りBINOKIT本体は余裕で収まっているのですが、接眼部微動ノブが横に張り出しているため、フォークの内側ぎりぎりです。目幅でいうとMAX65mmまでになります。

アリミゾ金具はビノテクノオリジナル製

汎用プレートに取り付けたアリミゾ金具です。BINOKITの場合、「鏡筒バンドに対して鏡筒をずらして前後のバランスを取る」ことが出来ないので、こういう架台に取り付けるときはアリガタ金具とアリミゾ金具を設けて前後バランスが取れるようにします。またアリミゾ金具を汎用プレートからオフセットして取り付けてあるのは、アリミゾ金具のハンドルを操作しやすくするためです。

以前販売していた10cm対物レンズユニット(10cmF7)では、対物レンズが大きく重かったので、HF2経緯台とBINOKITの組み合わせを推奨していなかったのですが、この対物レンズ(9cmF6)に限ってはベストマッチしていると、作ってみて思いました。

GS-200CCビノ完成

まもなく納品する双眼望遠鏡です。数日前に完成しました。オーナー様の了解を得て、こちらで紹介させていただきます。

鏡筒は笠井トレーディングの純カセグレンGS-200CCです。

バックフォーカスを稼ぐため、標準で付属しているフォーカサーは撤去しました。ピント調整はBORGの直進ヘリコイドSです。

計画当初、2インチアイピースが使えないか模索したのですが、バローレンズを使わない限りピントが出ません。ちなみにバローレンズを使う場合、EZMの先端に取り付けるため、合成Fが35~40ぐらいになります。最低倍率が300倍以上となってしまい、現実的ではありません。オーナー様と相談し、苦渋の選択でこのようなアメリカンサイズ専用としました。

架台はケンコー・トキナーAZ-EQ6GT-Jで、いつものように剛性アップ改造を行いました。この改造を行うと、三脚取付部との剛性が上がるだけでなく、不動点が三脚中心の真上に来るのでさらに安定します。

片側には5kgのウェイト2個、もう片方には約5kgのバッテリーが載せてあります。

鏡筒取付部はアリミゾ金具を使いました。これまでは特注で鏡筒バンドを製作していましたが、鏡筒が太くなればなるほどコストが上がるので、今回はこの方式にしました。

右側の目幅調整機構です。高剛性の2列のリニアモーションベアリングに沿って、鏡筒が平行移動します。アリミゾ金具はビノテクノオリジナルです。

左側の鏡筒方向微調整機構です。CRDL-miniの機構を採用しました。この機構で左右の鏡筒平行をしっかり出しておくと、EZMのXYツマミ調整量が最小限に済んで、視野回転が起こりません。

最後にインプレッションです。自宅のベランダで観ました。

まずはパンオプティック24mm(100倍)で火星と木星を。スパイダーが太いので十字の光芒が出ますが、単眼の150倍ぐらいの解像度で模様が見えます。

M37も視野いっぱいに微光星が広がって美しい眺めです。これぐらいの倍率なら、星像は問題なくシャープです。自宅は一応市街地なので肉眼で見える星はせいぜい3等星、10センチ双眼でのベランダ観望で、微光星はここまで見えません。口径の威力です。

オリオンの大星雲も大きな広がりこそ見えませんが、中心部のガスの濃淡は迫力がありました。

デロス10mm(240倍)に交換して木星を再び見ました。この倍率でも木星像は破綻することなく美し い佇まい。特筆すべきは色階調のよさです。明るいオレンジから茶色のような色まで楽しく観察できます。

主鏡の焦点距離が長いので、低倍率広視野の観望は出来ませんが、逆に言うと無理なく高倍率が出せるのがこのビノの特徴と言えます。惑星だけでなく、球状星団や惑星状星雲にも威力を発揮しそうです。

CRDL-mini アルカスイス仕様

ありがたいことに昨年末から立て続けに小型簡易クレードルCRDL-miniのご注文が続いています。

上の写真はドイツからご注文いただいたCRDL-miniです。鏡筒取り付け部分の標準仕様はビクセン規格のアリミゾ金具ですが、今回はアルカスイスのアリミゾ金具が取り付けられた特注仕様です(こういう対応も可能です)。詳しくはお聞きしていませんが、どのような鏡筒を載せるのか興味深いところです。

いずれにしても小型鏡筒で双眼望遠鏡を実現させるなら、CRDL-miniはもっとも安価でお勧めのクレードルです。

新製品「BINOKIT用9cm3枚玉SD対物レンズユニット」

今年7月に販売終了となった10.2cm3枚玉SDアポクロマートに代わるBINOKIT用対物レンズユニットとして、9cm3枚玉SDアポクロマートを販売開始いたします。

口径:90mm
焦点距離:540mm (F6)
レンズ枚数:3枚
FPL53使用
価格:税別 298,000円/2本

※ 円安の影響で10.2cm3枚玉SDアポクロマートより高くなってしまいました。

BINOKIT本体やEZMに合わせて、黒色を基調としたデザインにしました。写真紹介コーナーも併せてご覧ください。

これとBINOKITを組み合わせた税別価格は、

BINOKIT本体(アルミコート仕様) 258,000円
9cm3枚玉SDアポクロマート対物レンズユニット(2本) 298,000円
———————————————————————
合計 556,000円

となります。

見え味は、FPL53使用3枚玉アポの期待通り大変切れ味が良く、星が点像に収束します。コントラストも良く、星の色も楽しめます。10.2cmとの口径差は感じられません。

また写真でお分かりの通り大変コンパクトです。この対物レンズユニットとBINOKITとの組み合わせは、機動性を重視するお客様に特にお勧めです。

StellaBino-50インプレッション

少し前に発売された笠井トレーディング天体観測専用双眼望遠鏡「StellaBino-50」のインプレッションです。

StellaBino-50(アイピースはPF-25mm)

StellaBino-50は今までありそうでなかった手持ち双眼鏡(以下、双眼鏡)です。通常の双眼鏡は像を正立させるため、対物レンズとアイピースの間に、ポロプリズムやダハプリズムといったプリズムが入ります。しかしこの双眼鏡にはそれがありません。像は倒立のままです。プリズムによる像の劣化がない、極めてシンプルな光学系です。また口径50mmはこの光学系の限界サイズです。これ以上になると目幅が合いません。

ちなみにあえて昼間の景色を見ると、倒立像であると同時に、遠近が逆転して見えます。とても長い時間見る気にはなりません。やはりこれは天体専用です。

外観の印象は「写真で見るより細長く」、持った感じの印象は「やや華奢」です。通常のプリズムが使われている双眼鏡は概ねずんぐりむっくりしているのに比べて筐体が細長いので、他の荷物と混載してラフに扱うと、連結部に無理がかかりそうです。

アイピース(アメリカンサイズ限定)を変えることで倍率を変えることができますが、実用的には8倍以上となります。手持ち双眼鏡としてはやや高めの倍率です。

高めの倍率の双眼鏡を使う場合、双眼鏡を持ってアイピースの縁を目に押し付け、自分の頭を利用してホールドすると見やすいです。そのため、ラバーカップのあるアイピースがおすすめです。当初ラバーカップのない手持ちのアイピースで観望しようとしましたが、目に押し付けるワザが使えないので、PF-25mmを後追いで入手しました。

ピント調整は左右独立の回転ヘリコイドです(直進ヘリコイドではありません)。このため、ラバーカップを目の周りに押し付けすぎるとヘリコイドの操作がしづらくなります。かといって押し付けるのを止めると双眼鏡が安定しません。ピントの追い込みは正直難しいです。どうしても追い込みたい場合は、別途三脚取付アダプターを購入する方法があります。もっとも、この双眼鏡のピントはそれほどシビアではないので、あまり神経質にピントを合わせる必要はありません。

実際に星を見た印象は「さすが50mm」でした。天の川あたりに向けると、微光星の数で口径の威力が分かります。口径40mm未満の双眼鏡とは一味違います。ただし倒立像なので、見る方向の調整はすべて逆になります。「もうちょっと右が見たい」と思ったら双眼鏡を左に振らなければなりません。この操作は慣れが必要です。正立像の双眼鏡とこの双眼鏡をチャンポンで使うと頭が混乱しそうです(笑)。

メインの機材にはなりませんが、ちょっとした観望用にこういう双眼鏡があると、星見が一層楽しくなりそうです。

10.2cm対物レンズユニット 残り1セット

BINOKIT-BORGのオプションとして販売している10.2cm3枚玉SDアポ対物レンズユニットが残り1セット(2本)となりました。BORG107FL対物レンズに決して引けを取らない光学性能でお勧めの10センチでしたが、この在庫がなくなったら今のところ追加で仕入れる予定はありません。仮に仕入れるとしてもこの円安なので次ロットの販売価格はかなり上がると思います。ご購入を検討されている方はどうかこの機会をお見逃し無く。

双眼望遠鏡専用ケース

ビノテクノ製品のオーナー様から、特注で専用ケースを製作されたとの情報をいただいたので紹介させていただきます。写真はすべてオーナー様からのご提供です。

機材はBLANCA-90SDTビノ

この専用ケースは、伊藤製鞄株式会社に機材を持ち込み、採寸してもらって製作した1点物だそうです。ケースの外側にはイニシャル銘板もあります。写真では分かりませんが、取手は縦横二方向にあり、肩掛けストラップ用金具付きです。

それなりのお値段がかかったようですが、十分にその価値がうかがえる美しい仕上がりです。

I様、情報のご提供ありがとうございました。