宮古島で星を見てきました

昨年の小笠原ツアーに引き続き、7/14-18の日程で宮古島へ行ってきました。以下はそのレポートです。

まずは宮古島の位置についてです。宮古島は沖縄本島と台湾のちょうど中間にあります。北緯約25°、東経125°と緯度経度とも本州より約10°離れています。そのためさそり座の位置は高く、日出没時間は本州より約40分遅いです。

Google Mapより

アクセスは飛行機が容易です。私は中部国際空港(セントレア)からの直行便で行きました。それ以外にも那覇経由も含めて飛行機がたくさん飛んでます。ハイシーズンの始まりだったこともあって、行きも帰りもほぼ満席でした。

宮古島空港

地図で見ると小さい島ですが、実際に島内をレンタカーで移動してみると、ずいぶん大きい島です。昨年行った父島の数倍のイメージです。特に空港西側の島中心部は背の高い建物がたくさんあり、離島の雰囲気が感じられません。家電ショップ、スーパー、コンビニが普通にあります。

一方中心部から離れて海を見てみると、本州からは想像もできないほど美しい景色が広がっています。

与那覇前浜ビーチ
来間(くりま)島からの景色、海の向こうは宮古島
ムイガー断崖
平安名埼(へんなさき)灯台付近から見た景色
平安名埼灯台
砂山ビーチ
伊良部(いらぶ)大橋
池間大橋

宮古島の周辺には伊良部島、池間島、来間島という小さい島が近くにあります。それらの島にはそれぞれ立派な橋で宮古島と結ばれています。聞くところによると、宮古島に駐屯する自衛隊が台湾有事に直面した際、これらの島も含めて活動できるようにとのことです。実際橋の中ほどが高くなっていて、大型船舶が通行できるようになっています。

さて昼間は空の色も素敵で、しかもすでに梅雨前線は本州まで北上して梅雨が開けているので、夜もずっと晴れるような期待が湧くのですが、実際には毎晩スコールに見舞われました。晴れるとすごい星空が現れますが、30分ももたず、何回でもスコールが来ます。メリハリがあるといえば聞こえがよいのですが「一晩中じっくり観望」ができません。機材は昨年同様BINOKIT+10.2cm3枚玉SDアポ対物でしたが、出しては引っ込め、出しては引っ込めの連続でした。昨年同時期の父島でも似たような状況だったので、この時期の南の離島の気象はこういうものかもしれません。

そんな合間に撮った星空の写真です。ふだん撮らない人なのでクオリティの低さはご容赦願いたいのですが、15秒の固定撮影でこれだけの天の川が写ります。

FUJIFILM X-S10 / 18mmF1.4開放, ISO12800, 15秒固定

スコールの合間を縫ってさそり座あたりに望遠鏡を向けると、明るい対象は言うに及ばず、8等級の小さい球状星団までしっかり見えます。ただ、これは父島でも感じたことですが、肉眼ほどの感動がありません。肉眼や星座双眼鏡(低倍双眼鏡)で見る星空はど迫力ですが、望遠鏡で覗くと星像がうるうるしていて、突き抜けるような爽快さがありません。本来針をついたような像を結ぶ3枚玉SDアポの性能が十分発揮できていません。おそらく湿度あるいは気流の影響と思われます。しかし四方を海に囲まれているのでこれはどうしようもありません。

それからこれは行ってみてわかったことですが、島の中心付近(空港近く)で雨が降っていても、島の端は晴れていることがあるようです(もちろん逆もあり)。それなりに島が広いことの表れと言えますが、それでもこの島のスコールが、いかに局地的であるかが分かります。

ちなみに私は平安名埼(へんなさき)灯台(宮古島の南東端)近くで観望しました。もちろん灯台間近では灯台の光をまともに食らってしまうので、その直撃がない物陰のような場所で観望しました。ある晩、空港近くのホテルを出るときは大雨だったのに、約30分後、平安名埼灯台に着いたら雨が降っていた気配もなく、快晴でびっくりしました。

宿泊先のホテルから撮影

そんなこんなで、一晩たりとも落ち着いて観望することはできませんでした(まったく観望できない晩もあり)。晴れても望遠鏡本来の性能が発揮できなかったこともあって、ちょっと消化不良の星見ツアーでした。

一方、昼間に体験したシュノーケリングは素晴らしいものがありました。宮古島にはシュノーケリング・スポットがいくつもあるそうなのですが、私が行ってきたのは八重干瀬(『やびじ』と読みます)という、宮古島から船で北へ30分ほどの沖合にある広大なサンゴ礁です。ここへ行くには、島内のショップが主催するツアーに参加する必要があります。私はマーレクルーズというツアーに参加しました。

八重干瀬に向けて、出発直後の風景
八重干瀬到着

シュノーケリングは昨年の父島以来1年ぶり。大丈夫かしらと恐る恐る海に入ってみたら、呼吸方法は意外と身体が覚えていました。泳ぎは得意ではないのですが、シュノーケリング・ジャケット(ライフジャケットのようなもの)を着ているので溺れる心配はありません。仰向けになると自然に顔が水面から出ます。

マーレクルーズ様スタッフのカメラによる撮影画像

ツアーのスタッフさんたちはもちろん泳ぎが得意なのでシュノーケリング・ジャケットを着けず、素潜りしてこういう写真を撮ってくれました。

八重干瀬はシュノーケリングで海の底の景色を眺めるのも楽しいのですが、船の上から見る海の色のグラディエーションも素晴らしいです。この世の楽園です。

後日談ですが、シュノーケリングの際、ふくらはぎだけ日焼け止めを塗るのを忘れました。結果、ふくらはぎだけ火傷レベルの日焼けになり、帰宅後皮膚科を受診して塗り薬を処方してもらいました(トホホ)。考えてみるとシュノーケリングはずっとうつ伏せ状態なので、ふくらはぎはその間ずっと日に当たっていました。うかつでした。後で効いた話ですが、宮古島は本州より紫外線が2~3倍強いそうです。

食べ物については、海ぶどうやもずくがおいしかったです。立ち寄った農園で食べたマンゴーも美味でした。ただしどれもそれほど安くありません。しっかり「観光客価格」が確立している印象です。

ソーキそば
ソーミンチャンプルー
グルクンの唐揚げ

以上、星見、海のアクティビティ、食、島内観光と欲張った旅でした。今回も充実した時間を過ごすことができましたが、年齢を考えるともうちょっとセーブした方がよかったかもしれません。

まだ帰ってきたばかりなのに、もう「次回はどこへ行こうか?」と考えている今日このごろです。

「送料無料」表示止めます

これまで弊社ホームページでは、弊社からご購入の場合「送料無料」と案内してきましたが、この表示を「送料は弊社が負担いたします」という表現に改めます。

ビノテクノ注文ページ

ご存じの方も多いと思いますが、全日本トラック協会から悲痛の訴えのニュースがありました。弊社の利用は全体から見れば無いに等しい量ですが、訴えに共感を示したいという意思表示で表現を改めます。

空が明るくなった!?

昨年ぐらいから私の自宅がある三重県桑名市や、プライベート観測所がある三重県北部郊外で「妙に空が明るい」と感じ始めています。

以前は自宅からの電視観望で冗談みたいによく映ったM51が、最近は「あれっ?」と思うぐらいしょぼい映りです。望遠鏡のメッキが曇ってきたのか、はたまた冷却CMOSカメラが劣化したのかといろいろ疑いましたが、そういう事実は見つかりませんでした。

プライベート観測所でも以前は夜半、透明度がよければ星がぎらぎら輝き、天の川もよく見えたものですが、最近そんな日はとんとありません。

これって単純に空が明るくなったってこと?と思ってGoogleで光害について調べてみたら、こんな記事が見つかりました。

省エネのために街灯をLEDに変えたら、光害が増えたという研究結果

5年以上前の記事ではありますが、私の近所で起きていることはこれだと思いました。私の自宅あたりは一応住宅街で、何年も前から町内会が熱心に街路灯のLED化を進めています。既存の街路灯をLEDに交換するだけでなく、住民からリクエストがあればさらにLEDの街路灯を増やしています。しかも交換したLED照明は、旧来のタイプとは比べ物にならないぐらいまばゆいです。星が見えなくなっている原因はもうこれしかありません(思い込み強め)。毎年参加している町内会総会で「今年は何基交換しました。何基追加しました。」という報告を呑気に聞いていた私は今ごろになって事態の深刻さに気づきました。でももう手遅れです。

今世紀の終わり頃、日本の人口は今の半分ぐらいになるという予測で、それに伴って光害も減るのではと密かに期待していたのですが、どうも光害は減りそうにありません。人が住んでいなくてもLED照明だけは煌々と照っているシュールな街の夜を想像するとぞっとします。

You Tubeで紹介されました!

望遠鏡や機材を紹介するYouTuberボスケさんの『ボスケのレンキンTV』(Lens King’s TV by Bosque Rico)で、ビノテクノの双眼望遠鏡(BINOKIT-BORG + 10.2cm3枚玉SDアポ対物レンズユニット)が紹介されました!

同じ天体望遠鏡を2本並べたら凄すぎた!ビノテクノ双眼望遠鏡レビュー

念のため申し添えると、紹介された機材はボスケさんご自身が購入されたものです。弊社から無償あるいは格安で提供したものではありません。この前の回のZWO AM5赤道儀紹介後半で、突然この双眼望遠鏡が登場して驚きました。アリガタ金具の取付が通常と左右逆仕様だったので、最近販売店様経由で買われたものであることが分かりました(まさかお客様がボスケさんだったとは、、、)。

しかも買っていただいた上に、これほど分かりやすく紹介していただけるのは、本当にありがたいことです。本来供給者であるビノテクノがしなければならない解説もしっかりしていただき、感謝しかありません。

あの動画をご覧になってさらに何かご質問のある方は、どうぞ気軽にビノテクノまでお問い合わせください。

謹賀新年

新年明けましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になりました。
今年も双眼望遠鏡でみなさんの観望ライフを応援したいと思います。
本年もどうかよろしくお願いします。

EZM(B品)処分販売します

EZMのB品(訳あり品)を1個、処分販売します。

2インチバレル取付部6個のネジの内1個(上の写真の時計文字盤4時の方向のネジ)がありません(ネジの出来栄えが不完全だったので再タップを試みたところ、タップが折れて取れなくなってしまいました)。そのため5個のネジで固定されていますが、強固に固定されていて実用上問題ありません。

ミラーは新品の銀メッキコートで、左側仕様です。

税込み64,800円で販売します(通常価格税込み85,800円の約24%オフ)。

ご希望の方はビノテクノまでメールでご連絡ください。

新対物レンズの写真性能-「野鳥編-2」

野鳥撮影用に新対物レンズを購入されたオーナー様から、カワセミの写真をいただいたの紹介させていただきます(前回記事はこちら)。

【共通データ】
カメラ:FUJIFILM X-T3
レンズ:ビノテクノ 新対物レンズ 10.2cm3枚玉SDアポ F7
補正レンズ:BORG 1.4xテレコンバーターDG

画像をクリックするとオリジナル画像(約8MB)が開きます
画像をクリックするとオリジナル画像(約8MB)が開きます
画像をクリックするとオリジナル画像(約6MB)が開きます

オリジナル画像を強拡大すると、その解像度の凄さが分かります。オーナー様、ご提供ありがとうございました。

コンプレッサーを利用したエアダスター

すでに同様の工夫をされている方もいらっしゃると思いますが、エアコンプレッサーを利用したエアダスターを紹介させていただきます。

少し前までレンズやミラーの清掃には、スプレー缶タイプのエアダスターを利用していました。しかし頻繁に使うとあっという間に空になってしまいます。またエア圧力もそれほど強くなく、その点も不満でした。

そこで自作というか、市販パーツを組み合わせて用意したのが今回紹介するエアダスターです。

エアコンプレッサーを利用したエアダスター

構成は以下のとおりです。

ポイントはミストセパレーターを使ったことです。

透明カップの付いた機器がミストセパレーター

これがないと、エアコンプレッサーが吸い込む大気中のホコリや水分が、そのままレンズやミラーに当たってしまいます。ミストセパレーターは空気中のホコリや水分を除去する機能があるので、ここを通過した圧縮エアはとてもクリーンです。

ちなみにこのエアコンプレッサーの最高圧力は0.9MPa(一般的な工場で使われる圧縮エア圧力の約2倍)ですがこれでは強すぎるので、エアダスターとして使うときは0.3MPaに減圧しています。この圧力でもスプレー缶のエアダスターよりはるかに強力です。

細かい話ですが、それぞれの構成機器はワンタッチカプラーで外れるようにしてあります。普段使わないときは外して保管しています。こうしておけば保管場所も取りませんし、ミストセパレーターを蹴飛ばして壊したりしません。

市販のエアダスターにご不満を抱いている方の参考になれば幸いです。

新対物レンズの写真性能-「野鳥編」

2022/02/21 末尾にジョウビタキのトリミング画像(シャープ加工等無し)を追加しました。

野鳥撮影のベテランの方にお願いして、10.2cm3枚玉SD対物レンズユニットで撮影してもらいました。
星も見ても色の出方がきれいなのですが、野鳥撮影においてもこのレンズの色の出方はきれいです。
この「700mm望遠レンズ」は20mぐらいの距離からでも狙えるので、撮影チャンスが格段に増えるそうです。
レンズの解像度が分かるよう、トリミング画像とフルサイズ画像の両方を掲載しておきます。カメラはAPS-Cサイズ,、対物レンズ以外のパーツはほぼすべてBORG製品とのことです。

※ 画像をクリックするとオリジナル画像が開きます。

カワセミ(トリミング)
カワセミ(フルサイズ)
ツグミ(トリミング)
ツグミ(フルサイズ)
ヤマガラ(トリミング)
ヤマガラ(フルサイズ)
モズ(トリミング)
モズ(フルサイズ)
ジョウビタキ(トリミング)
ジョウビタキ(フルサイズ)
ジョウビタキ(トリミング) 2022/02/21追加
ジョウビタキ(トリミング) 2022/02/21追加
ジョウビタキ(トリミング) 2022/02/21追加

謹賀新年

明けましておめでとうございます。

今年もみなさんの天文活動が一層楽しくなるよう、
いろいろな提案をさせていただきます。

どうか本年もよろしくお願いします。

パラリンピックに思うこと

今日(9/5)でパラリンピックが閉幕しました。自国開催ということもあってたくさんの競技をテレビで観ることができました。おかげでやっとパラリンピックの意義が私なりに理解できました。端的に言えばパラリンピックは、やり抜く意思の大切さをあらためて私に教えてくれました。

パラのアスリートたちは、自分が負っているハンディを嘆いてなどいません。残っている機能を最大限活用して武器のレベルにまで磨き上げています。やり抜く熱い意思でたくさんのサポートを集めています。

「障害があるのに頑張ってるね」などという感想はとんでもない上から目線、失礼の極みです。パラのアスリートを見て感じるのは、「自分はあの人達ほど頑張っていない」という自省です。何かがないことをやらないことの言い訳にしていないか、やるといいながら勝手にやめていないか、何がしたいかをきちんと周りに伝えているか。

障害があろうがなかろうが、やり抜く意思は大切です。それができている人には最大限のリスペクトを捧げたいです。頑張らなければならないのは、それができていない自分です。

星ナビ7月号にビノテクノが紹介されました

6/5発売の星ナビ7月号に「趣味全開のガレージメーカー訪問」という特集記事でビノテクノが紹介されました。なんと見開き4ページです!豊富な写真とツボを押さえた文章で、とてもうまくまとめていただきました。今夏以降発売予定の新商品(ビノテクノHPでは未発表)もこっそり紹介してあります。

これからもワクワクするような機材を提供していきたいと思っておりますので、どうかみなさんよろしくお願いします。