特価販売品コーナーに商品を追加しました。ご注文をお待ちしています。


ビノテクノのブログ
Ascar製品の最大口径203mm鏡筒(3枚玉アポ)による双眼望遠鏡が完成したので納品に立ち会ってきました(三重県内)。元請けはアイベル様で、ビノテクノは正立ミラー部とクレードル部のみを製作しました。据付作業は昼過ぎから始まっていましたが、、私は夕方から参加し、左右鏡筒の平行の最終調整を行いました(とはいってもほとんど無調整で左右が一致しました)。
架台は中央光学製です。写真で見ると鏡筒が小さく見えますが、それは架台が大きいからです。鏡筒の実物は巨大です。
第1ミラーがラージミラー仕様の特注EZMです。
最近まで大口径用特注クレードルは精密加工した鏡筒バンドを用意していましたが、今回はCRDL-miniの技術を移植した設計にしました。左側が目幅調整ステージで、右側が上下左右微調整ステージです。これにより、鏡筒に付属している鏡筒バンドやアリガタ金具が使えるようになりました。このコストダウン効果は大きいです。
ちなみにアリミゾ金具はMORE BLUE製です。アリガタ金具(写真のオレンジのプレート)が長いので、片方の鏡筒あたり2個使っています。
また徒(いたずら)にアルミプレートの厚みを増さず(最大厚み15mm)、要所要所にリブを入れて剛性を高め、軽量化が図ってあります。
大口径の双眼望遠鏡製作は数年に一回の仕事ですが、失敗が許されないのでそれなりに緊張します。その分無事完成すると感慨ひとしおです。
これまで特に説明してこなかったのですが、EZMペアの右側用に取り付けてあるX-Y調整ネジには「調整原点」が施してあります。
EZMはレーザーポインターを使った自家製のアライメント調整治具でミラー角度を精密調整して出荷しています。このときのX-Y調整ネジの位置を覚えておくため、ネジの頭にベビーグラインダーで、EZM筐体底面の合いマークと向かい合う位置に調整原点を施しています。
実際に双眼望遠鏡に取り付け、両目で見ながら調整すると、調整原点と合いマークが多少ずれることがありますが(概ね1/6回転以下)、その原因は、アイピース取り付けのガタとか、ドロチューブのわずかな傾きです。弊社製クレードルは鏡筒平行が精密に確保されているので、ずれる原因になることはありません。
ビノテクノ創業以来今まで一度も「回しすぎて原点がわからなくなった」というご連絡をいただいたことはありませんが、先日「このマークは何?」というご質問をいただいたので、この機会に紹介させていただきます。
ちなみにEZM筐体底面の中央に貼ってあるテプラ「AG」は銀メッキミラーを表しています。「AG」の他に「AL」がアルミメッキミラー、「DI」が誘電体コートミラーを表しています。
特価販売品の価格を見直しました。はっきり言って処分価格です。ご注文をお待ちしています。