すでにHPの商品ページには掲載済みですが、本日より小口径用簡易クレードルCRDL-miniの販売を開始します。
このクレードルの特長は、市販鏡筒に付属している鏡筒バンドとアリガタ金具がそのまま使えるところにあります。下の写真はその搭載例です。
正立デバイスは、これも最近発売した正立天頂プリズムEZPです。
これまでビノテクノの正立デバイスは、光路長が長く、高価な正立天頂ミラーEZMしかありませんでした。しかしEZPの登場で、小口径(主に8センチ以下)でもピントが出るようになりました。しかもEZMの半分以下の価格です。これに安価なクレードルがあれば、以前から抱いていた、小口径の双眼望遠鏡を安価に提供したいという想いが実現します。そこで開発したのがこのクレードルです。
このクレードルは、左側の鏡筒で目幅調整を行い、右側の鏡筒で平行調整を行います。
目幅調整は下部に取り付けてあるアリガタ金具に沿って動かすサバイバルな構造です。そのため、操作性では従来のクレードル(CRDL-105, CRDL95等)に劣ります。基本的にはあまり頻繁に目幅調整を行わない、パーソナルユースが前提の商品です。
平行調整(鏡筒の上下左右調整)は、EZMでいうところのXY調整ネジに相当するものです。実はEZP自体にXY調整機構を組み込もうとしたのですが、プリズムの自重が大きく、スムーズな微調整がどうしても実現できませんでした。そこでこの機能をクレードル側に持たせることにしたのですが、逆にそれが功を奏して、鏡筒付属の鏡筒バンドとアリガタ金具の使用が可能になりました。これは大きなコストダウンになりました。
従来のクレードル(CRDL-105, CRDL95)との違いをまとめると、次の表のようになります。
項目 | CRDL-mini | 従来のクレードル |
市販鏡筒付属のアリガタ金具(ビクセン規格) | 使用可 | 使用不可 |
市販鏡筒付属の鏡筒バンド | 使用可 | 使用不可 |
使用する正立デバイス | EZP | EZM |
目幅調整 | アリガタ金具を利用した簡易方式 | ネジを利用した微調整方式 |
鏡筒の平行調整 | 右側鏡筒の微動ステージで調整 | 調整レス(金属パーツの精度で保証) |
適用鏡筒 | 8センチ未満 | 8センチ以上 |
安価な工業用アルミフレームを使ってさらにコストダウンを図り、この価格(税別58,000円)を実現しました。
HPの商品ページにも掲載しましたが、例えば笠井トレーディングBLANCA-72SED鏡筒を載せた場合、クレードル、EZPペア、鏡筒2本でちょうど25万円(税別)になります。FPL-53の硝材を使った72mmの双眼望遠鏡がこの価格で提供できる意義を強調したいです。
一度も見たことのない人に双眼望遠鏡の楽しさを言葉で伝えるのは難しいです。逆に一度でも本物を覗けば、一瞬でその楽しさが理解できます。価格が下がればその機会は増えるはずです。EZPとCRDL-miniは、ビノテクノの起業動機である「双眼望遠鏡の楽しさをより多くの人に知ってもらいたい」という想いが詰まった商品です。