BINOKIT(10.2cm対物) on AZ-3経緯台

先日納品させていただいたBINOKITのオーナー様から写真をいただいたので紹介させていただきます。

機材は、右側がBINOKIT-BORG+10.2cm対物レンズユニット、左側が以前からお持ちのBORG50mmアクロマート対空双眼です。バランスウェイトは5kgとのことです。

架台はKasai AZ-3経緯台、三脚はアイベル強化型ステンレス三脚です。経緯台と三脚を接続するアダプターはビノテクノで特注製作させていただきました。

バランスウェイトを含めた搭載重量は約20kgと思われますが、見た目、まったく危なげなく、実際、問題なく使えているとのことです。

Kasai AZ-3経緯台は元々剛性ポテンシャルが高いのと、微動ができるので、双眼望遠鏡によく合う経緯台と言えます。搭載方法の参考として紹介させていただきました。

AZ-EQ6GT-J改造

お客様のご依頼で、ケンコー・トキナーのデュアルモード(赤道儀と経緯台)架台AZ-EQ6GT-JにNinja320鏡筒を載せるための改造を行ったので紹介させていただきます。

改造内容は主にふたつで、ひとつは経緯台モードでの剛性アップ、もうひとつは、Ninja320を取り付けるための逆ブランコ方式(勝手に命名)のフレーム取り付けです。このブログをご覧になっている方はお気づきと思いますが、どちらも以前製作したTOA130ビノの類似設計になっています。

写真の向かって右の黒いかたまりはバッテリーです。写真では見づらいのですが、下に支えのL型板金ステーがあります。その下に見えているアルミの厚板には、バランスウェイト用のシャフトが取り付く予定です。反対側(左側)のシャフトもバランスウェイト用です。

逆ブランコのてっぺんに見えるアリミゾ金具はKASAI大型アリミゾ金具で、ここにNinja320が取り付きます。Ninja320のオリジナル状態ではアリガタ金具がないので、お客様の方からバックヤードプロダクツ様に依頼して付けてもらうとお聞きしています。

上の写真は、鏡筒の接眼部側から見たアングルになります。幅広のアルミフレーム(40X120mm)から突き出た細いアルミフレームの先端には、SynScanコントローラのホルダーが取り付けてあります。ちょうど接眼部に近い位置になります。AZ-EQ6GT-JにWi-Fiアダプターを取り付ければスマホから操作できますが、SynScanコントローラの方が使いやすいというオーナー様のご要望でこの仕様にしました。

アリミゾ金具クランプノブの操作性向上のため、逆ブランコのトッププレートの一部を切り欠きました。トッププレートに対してアリミゾ金具との距離を取ればこの切り欠きは不要ですが、それでは鏡筒重心が架台の不動点からさらに離れてしまうのでこの方法を取りました。鏡筒重量は25kgぐらいのはずなので、安易に不動点からの距離を大きくしてしまうと、追加するバランスウェイトが増えてしまいます。地味な配慮ですが、架台の耐久性を考えると、バランスウェイトを最小限に済ませることは設計上大事なポイントです。

すでに販売中止となっていますが、Ninja320はドブソニアンの中でも優秀な光学系を搭載しているので、これを自動追尾架台に載せたいというご希望はよく理解できます。しかしアリガタ金具を取り付けて普通の赤道儀に載せても鏡筒回転装置がないので、この口径では実用上無理があります。そのソリューションとしてこの事例をご覧いただければありがたいです。

ユーザーレポート(BINO-60ED)

以前納品したBINO-60EDのオーナー様からユーザーレポートをいただいたので紹介させていただきます。

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HPで広告を見て以来ずっと気になっていたが、60mm ED(f = 360 mm)の実力はどうなのか?と不安な気持ちもあった。しかし、背中を押されたのは、星ナビ7月号 “趣味全開のガレッジメーカー” という特集記事。早速60EDビノが我が家にやって来た。

ファーストライトは、梅雨明け・新月期と好条件が重なった先週末(ビノテクノ注:7月上旬頃)、国内屈指の星空観望地、漆黒の闇が広がった。アイピースは、定番 TeleVue Type4-22mm、広視界で(16倍、実視界5°)鋭く美しい星像。もう1つはZeiss Microscopy W-PL 25mm(ビノテクノ注:元はツアイス製顕微鏡用アイピースだそうです)、こちらは14.5倍で4°強、中心像とヌケ、バーローと相性が良いので中倍率まで楽しめる。アイピースを何度も交換しながら、濃厚な天の川のメシエ天体を堪能した。

60EDビノの実力は想像以上で、5-6cmの双眼鏡とは別次元と思う。剛性感も高い。電車、あるいは飛行機での海外遠征など、車以外でのトラベル星見に最適。三脚と架台を含めてもキャスターバック1つに入るサイズ感、無二の存在価値があると感じた。

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オーナー様、レポートありがとうございました。一見豪勢に思われるアイピースとの組み合わせですが、この対物レンズの優秀さを余すところなく引き出しています。このように優れた光学系による15倍ぐらいの倍率では、天の川が星々に分解され始めて、見ごたえのあるざらざら感が味わえます。

※ BINO-60EDは、対物レンズの在庫がなくなったため、いったん販売終了とします。