セレストロン StarSense Explore 使ってみました

すでにネット上で話題になりはじめているセレストロン製StarSense Explore(スターセンス・エクスプローラー、以下”SSE”)を使ってみました。これは画期的な導入支援装置です。

詳しくは下記の動画やサイトをご覧いただきたいのですが、スマホをセットするだけで望遠鏡のナビゲートができます。

紹介動画

ビクセンのサイト/StarSense Explore DX130AZ

これまでの導入支援装置は、アライメントのため「既知の星を望遠鏡の視野に入れる」必要がありました。ところがSSEではその必要がありません。夜空の適当な方向に向ければ、どこを見ているかをSSEが自動的に判断します。あとはスマホから見たい天体を入力すれば、望遠鏡を動かす方向を教えててくれます。目標に近づくと星図ソフトが拡大モードになり、さらに細かくナビゲートしてくれます。20~30倍程度の低倍率ならほぼど真ん中に入ります。

SSEには対物レンズのような集光パワーのある光学系はなく、大きめの平面鏡があるだけです。それなのに肉眼で2等星が見えるぐらいの空でもちゃんと動作します。「スマホには見えてるんだ」とあらためて感心します。

ただしスマホのジャイロ機能も使う関係で、比較的新しいスマホでないと使えないようです。私はたまたま昨年、数年ぶりにスマホを新調したので問題なく使うことができました。

またSSEのスマホホルダには、スマホの位置を上下左右に微調整する機構があります。これはスマホの筐体に対してカメラの位置が機種によって異なることに対応する機構です。これとは別に、望遠鏡の視野中心とスマホの視野中心を合わせる作業は専用のスマホアプリで行います。昼間の景色などを使って、スマホに映った画面をドラッグして行います。これもとても簡単な作業です。

今回購入したのはStarSense Explore LT 70AZという7センチ屈折経緯台で、3万円以下でした。従来の導入支援装置の価格を考えると、驚異的な価格です。SSEだけでもお釣りが来ます。エンコーダ(角度検出器)を架台に埋め込む必要がないので、このような低価格が実現したと思われます。

と、ここまでバラ色の話をしてきましたが、実は大きな問題があります。販売店の話によると、SSEの部分だけ外して使うことをメーカーは許していないそうです。もちろん、オーナーさんが個人的にやるのは止めようがありませんが、少なくとも販売店やビノテクノのようなガレージメーカーが、取り外して別の鏡筒や架台に取り付けた写真をネットに掲載したり、同様に、取り付け方をネットで紹介したりすると、訴えられる可能性があるそうです。

SSEは今のところ望遠鏡(どちらかというと初心者向け鏡筒)とのセット品しかなく、伝聞情報によれば、単体販売の予定はなさそうです。

個人的には、SSEこそ眼視派が待ち望んでいた、コスパ最高の導入支援装置と思っています。これを高剛性のフリーストップ架台に取り付ければ、快適な観望スタイルが約束されます。そう思ってLT 70AZを購入し、取り外してノースマウントに取り付けたのですが、そのあと、ネット紹介NGを知りました。このブログで紹介できないのがとても残念です。