先日納品したBK150750ビノ(特注品)を紹介させていただきます。
鏡筒はスカイウォッチャー製BK150750(D150mmF5アクロマート)です。
接眼部は笠井トレーディングV-POWERII(S)です。鏡筒チューブと接眼部をつなぐリングは特注アルミパーツです。ストロークの長いV-POWERII(L)を使わずV-POWERII(S)を使った理由は口径食の回避です。事前にCADで確認したところ、Lは長いドロチューブで口径食を起こすので、ストロークの短いSを採用しました。
EZMは対物側もノーマルサイズのミラーで、接眼部との接続は2インチバレルです。鏡筒間ピッチが広いので、第1ミラーと第2ミラーの間に延長スペーサが設けてあります。
クレードルのみの写真です。基本的にオーナー様しか使わないので、目幅調整機構は思い切って簡略化しました。
その部分のクローズアップです。片側の鏡筒バンドのみ、キー(精密な寸法で仕上げられたステンレス製角材)に沿って動かせる機構にしてあります。長穴に取り付けられているボルトを緩め、あらかじめオーナー様の目幅に合わせて動かし、再度ボルトを固定します。この鏡筒バンドはキーに沿ってしか動かないので、どの位置でボルトを固定しても左右の平行が崩れることはありません。
当然ながら目幅調整は煩雑ですが、一度合わせたらまず変更することはないとのことだったので、コストダウンのため、割り切ってこういうシンプルな機構にしました。
以下はオーナー様からいただいた写真とメール抜粋です。
※ ビノテクノコメント:架台はiOptron AZマウントPro、逆ブランコ方式のブラケットはリンクス製です。今回はこの逆ブランコ方式ブラケットのトッププレートを換装する形で改造を行いました。
15cmビノにての初観望を行いました。
素晴らしい!のひと言に尽きます。
特に散開星団は圧巻です。
やはり口径がものをいうのですね。
既にボーグ107ビノを所有しており、その見え味には満足しているのに更に15cmビノが自分に必要なのかと、かなり悩みましたが、作っていただいて本当に良かったというのが今の正直な気持ちです。
また、軽量化を図っていただいたお陰でマウントとの相性もバッチリでした。
15cmビノと架台のマッチングについて追記させていただきますと、口径に対して鏡筒長が短いこともあり、しっかりとバランスさえ取られていれば観測中に気になるようなふらつきはありませんでした。
大変お世話になりまして、ありがとうございました。
※ ビノテクノコメント:オーナー様、こちらこそありがとうございました。出来上がりにご満足いただけて、とてもうれしく思っています。目幅調整機構の簡略化等、ご自身の使い方に合わせてシンプルな仕様を採用されたことは、とても賢明なご判断と思います。