3次元CADが実用レベルで使えるようになりました。
これまで20年以上2次元CADを使ってきましたが、一念発起して先月から独学で習得しました。これからは3次元CADで全体図を作成し、イメージや干渉の確認を行ってから、2次元CADで部品の手配図を作成する流れになります。
ちなみに今回使用した3次元CADはFusion360というアプリで、破格の安い金額で提供されていたので導入に踏み切りました。色や質感の表現ができるところも気に入っています。
さて、今回紹介している図面は、現在設計中の60mmEDビノです。
鏡筒はSolomon60EDP(アイベル)またはBLANCA-60SED(笠井トレーディング)です。硝材にFPL53が使われているため、15~18倍程度の低倍率では星像がとても小さく、小気味の良い見え方をします。
これらの鏡筒はバックフォーカスがあまりなく、私のお気に入りのナグラー・タイプ4・22ミリは残念ながら合焦しませんが、マスヤマアイピースならギリギリ合焦するので、例えばマスヤマ26mmと組み合わせれば、14X60の贅沢な双眼鏡が実現します。
このビノを、何とか30万円を切る価格で提供したいと考えて設計しました。
「6センチの双眼鏡で30万円は高い!」とお叱りを受けそうですが、このビノに使うEZMはBINOKITやBLANCA-102SEDビノにも使えるので、将来これらのビノを購入する際、EZMを流用されるならその分値引き販売するということでご容赦ください。
パン棒はアルカスイス規格のプレートにグリップを取り付けました。運搬時にかさばらないよう着脱可能にしてあります。
左側のアリガタレール(ビクセン規格またはアルカスイス規格)がアイピース側に突き出しているのは、重心が接眼部あたりになると予想しているからです。
コストダウンのため目幅調整は簡易的な機構にしてあります。目幅調整時は右側鏡筒下のつまみネジを緩めて鏡筒を水平移動させます。つまみネジを緩めている間は鏡筒の平行が崩れますが、締め直すと鏡筒の平行は再現します。これまでの微動機構に比べると少し面倒な使い勝手なので、基本的には「1人で使う」ことを想定しています。高精度に削り出した部品を組み合わせた構造になっているので、長年使っているうちに鏡筒の平行がずれてしまうことはありません。そもそも調整の余地がない構造なので、ユーザーによる調整も不要です。
まずはコストと使い勝手の確認のため、1台製作してみます。