BLANCA-102EDPビノ 製作可能です

笠井トレーディングから新発売されたBLANCA-102EDP(口径10.2cm F11)を1本入手しました。F11というノスタルジックなスペックと、双眼望遠鏡素材としての興味、そして何より10万円を切る価格に惹かれたからです。

外観の印象は、思ったより大きいです。写真を見ると細長い鏡筒をイメージしてしまいますが、実際には10センチF7の鏡筒がそのまま長くなっています。考えてみたら当たり前ですね(笑)。もちろん長くなった分、重いです。

これにバーダーの2インチ天頂ミラーを使って(EZMを使わなかったのはピントが出なかったからです。詳細は後述)、月と木星を見てみました。

まずは月面ですが、「F11」という期待通り、実にスッキリした見え方です。月縁に色が付きません。そして当然シャープです。カリカリッとしたクレーター群が小気味良いです。

倍率を上げて木星を観たところ、面白いことに気づきました。手持ちのアイピースを取っ替え引っ替えいろいろ試したところ、オルソやプルーセルといったオーソドックスなアイピースとの相性が抜群でした。縞の形も、色の違いも分かりやすかったです。

一方見かけ視野の広い今どきのアイピースは軒並みぱっとしません。シーイングが悪くなったのかと勘違いするぐらい像が崩れます。これは勝手な想像ですが、これらのアイピースが設計されたのはすでに対物レンズのFが小さくなっていた時代で、小さいFに最適な設計がなされているのではとないかと思います。逆にオルソやプルーセルが設計された頃はF10以上が普通だったので、相性が良いのかもしれません。

月や木星以外の印象でいうと、特に低倍率で星像がシャープです。FPL-53を使った対物レンズと遜色ありません。星の色の表現も素晴らしく、アルビレオに向けると、もう何度も見ているはずなのに、思わず見入ってしまいます。

このように眼視性能に優れた鏡筒なので、これで双眼望遠鏡を作ってみたくなるのですが、残念ながらビノテクノ製のEZMではほとんどのアイピースでピントが出ません。唯一ピントが出たのは、パンオプティック24mmだけでした。このアイピースのピントは、アイピース取付面から対物側へ6ミリの位置にあるので、ぎりぎりピントが出ます。他のアイピースはフォーカサーをいっぱいに繰り入れてもピントが出ません。「もうちょっと」なんですが。。。

笠井トレーディングHPにも掲載されている延長筒(120mm)を外すと、今度はフォーカサーをいっぱいに繰り出してもピントが出ません。フォーカサーのストロークが92mmなので、まさに帯に短したすきに長しです。延長筒の長さが60mmぐらいならありがたかったです。

とはいっても、双眼望遠鏡にできないかといったらそうでもありません。フォーカサーを詳細に見てみると、2インチスリーブとなっているアダプターリングの厚みが20ミリもあるので、これを8ミリ程度の厚みのものに作り変えればほとんどのアイピースでピントが出ます。

クレードルについては、鏡筒径がBLANCA-102SEDと同じなので、それ用のクレードルが使えそうです。ただし鏡筒が長いので、もう少しだけ部品を足して、鏡筒バンドの間隔を広げたほうが良さそうです。

冒頭に書いたとおり鏡筒が重いので、双眼望遠鏡に仕立てたときの重さも、従来の10センチ双眼望遠鏡より重くなります。そのため、比較的剛性の高いAZ-3経緯台(笠井トレーディング)でも厳しいように思います。高倍率での使用も考えると、AZ-EQ6GT(ケンコー・トキナー)やAZマウントPro(iOptron)がお勧めです。

そういうわけで、この鏡筒での双眼望遠鏡は製作可能です。ただし特注になるので、ご注文はビノテクノへ直接お願いします。

BORG 107FL Bino @digiborg

アストロヒューテック様(アメリカ)のブログに、BORG107FLビノ(クレードルとEZMはビノテクノ製)とiOptron製架台を組み合わせた写真が掲載されました。

BORG 107FL Bino

BORG107FLビノもそれなりに大きい機材ですが、この組み合わせはとてもバランス良く見えます。

この架台やケンコー・トキナー製AZ-EQ6GTは自動追尾ができるので惑星観望も楽しめます。優秀なフリーストップ架台でも惑星観望は可能ですが、便利さの点では自動追尾架台に勝てません。もちろんその分重いのですが。。。

ディープスカイ観望会 中止になりました

本日三重県民の森で予定されていたスコーピオ様主催のディープスカイ観望会は中止になりました。直接の連絡はいただいておりませんが、スコーピオ様のホームページトップに中止の案内が掲載されています。

http://www.tele-scorpio.jp/

双眼望遠鏡体験を楽しみにされていた方、またの機会によろしくお願いします。

6/22 ディープスカイ観望会@三重県民の森 参加します

毎月下弦の月付近の週末に、三重県民の森で、名古屋の望遠鏡ショップスコーピオ様主催のディープスカイ観望会が催されることになりました。初回の6/22にビノテクノもデモ機を持参して参加する予定です。双眼望遠鏡に興味のある方、ぜひお越しください。現地は今年開通したばかりの新名神・菰野インターから10分ほどのところにあります。

85mm対物レンズ(試作品)+双眼望遠鏡化キット(新品) 売ります(1セット限定)

※ 売約済み (2019.08.15)

デモで使用した85mm対物レンズユニット(試作品)に、新品の双眼望遠鏡化キットを組み合わせたセットを1台限定で販売します(直販のみ)。販売価格はアルミめっき仕様EZMで、

300,000円(税抜き)

です。送料無料です。

EZMの銀めっき仕様または誘電体コート仕様への変更はプラス14,000円(税抜き)です。ファインダーベース、パン棒の追加はそれぞれプラス6,000円と9,000円です(どちらも税抜き)。

この対物レンズユニットは、BORG双眼望遠鏡化キットのオプションで販売している85mm対物レンズユニットと同じ光学系です。デモで数回使用していますが、状態はきれいです。

鏡筒部分(金属部分)の元の外観は下の写真の通り塗装もアルマイト処理もしていなかったので、上の写真のとおり、カーボンシートが貼り付けてあります。対物レンズのキャップはありません。

ちなみに85mm対物レンズユニットも新品の場合、価格は358,000(=248,000+110,000)円になります。今回の譲渡価格はそれに比べて58,000円安くなっています。

購入ご希望の方は、ビノテクノ(info@binotechno.com)宛にメールでご連絡ください。

夏の天の川は見どころたくさん

6月になると、夏がすぐそこに近づいていることを実感します。

夜空も同様です。天の川は夜半南の空で直立し、天頂のはくちょう座を貫いて、向こうまで流れていきます。

この時期私が双眼望遠鏡で必ず見る天体は、いて座のM17です。大きい星粒、小さい星粒を背景にくっきり浮かぶ、特徴的な形の散光星雲は、まるで丸い枠に嵌めた一幅の景色です。

そのまま気ままに、上下左右に機材を振れば、M8&M20、M22、M16などが次々に視野に入ってきます。さらに天の川を北上していくとM11もいます。星雲星団はありませんが、はくちょう座γ星(北十字の中心の星)あたりも星数が多くて見飽きません。そうそう、M27もいいですね。

観て良し、撮って良し、夏の天の川は宝箱。今年も晴天に恵まれることを期待したいです。