世間が狭いのではなく・・・

今回は望遠鏡と関係ない話です。

例えば、趣味で知り合った人が同級生の知り合いだとわかったとき、わたしたちはよく「世間は狭いね」と言います。

20年以上前、ある集まりでまさにそういうことがわかり、「世間は狭いね」と言ったら、ある年上の方から素敵な言葉をもらいました。

「服部君、それはね、世間が狭いんじゃないの。あなたの世界が広がったのよ。」

これ以来、この言葉は私のお気に入りです。

知り合いがつながるたびに、自分の世界が広がったと喜んでいます。

BLANCA-60SEDビノ デモ機売ります(1台)

※ 買い手が見つからないため、いったん販売を取り下げます(2018.6.24)

以前このブログで紹介したBLANCA-60SEDビノのデモ機(1台)を処分販売します。

価格は 220,000円(税込、送料含む) です。購入ご希望の方はビノテクノへメールでご連絡ください。

主なスペックは以下の通りです。

  • 鏡筒 :笠井トレーディング BLANCA-60SED(D60mmF6,FPL-53使用2枚玉EDアポクロマート)
  • 正立ミラー :ビノテクノ製EZM アルミメッキミラー
  • 使用可能アイピース :アメリカンサイズのみ
  • 目幅調整 :鏡筒下のアリミゾ金具を緩めて水平移動させる簡易式
  • アリガタプレート :ビクセン規格

※ 現状渡しです。これをベースにした改造のご依頼はご容赦ください。

  • アイピースはテレビュー・パンオプティック24mm(別売)
  • アーム式経緯台&アリミゾ金具はノースマウント(別売)

自作の意義

20年ほど前、私が25センチ双眼望遠鏡『BigBino』を製作したころ、望遠鏡の『自作』はその意義が少し勘違いされていました。自作は低コストで望遠鏡を得る手段、出来栄えは日曜大工レベル、と見られていました。これは、当時の天文雑誌のミスリードによるものもありました。自作コーナーで紹介される機材へのコメントで、そう見ているのがよくわかりました。あくまでメーカー製が上で、自作は下、そういう位置づけでした。

ところが、BigBino製作をきっかけに知り合った自作派の達人たちの作品を見ると、そんな認識がまったく的外れであることがわかりました。金属加工はプロレベル。高性能な光学系、眼視に特化した鏡筒、使い勝手にこだわった架台など、こだわる部分は徹底的にこだわり、不要と思う機能はばっさり切り捨てていました。そもそもの製作の動機が、「メーカー製にないから」あるいは「メーカー製に満足できないから」ですから、出来上がったものは突き抜けていました。もちろん「安く作るため」という視点はありません。実際、メーカー製を買うよりも多くのお金を費やしたはずです。

もちろん、メーカーにはメーカーの事情があります。メーカー製はたくさん売れることが最も大事です。たくさん売れることを前提にして部品を大量発注し、コストを下げています。売れなかったらたいへんなことになります。そのため、スペックは最大公約数的なものにならざるを得ません。

さて、約20年経ち、その後どうなったか。

昨年まで仲間と開催していたスターパーティーに集まってきていた機材を眺めると、自作は減ったように思います。正確に言えば、オール自作は減り、メーカー製を少し改造した機材は多くなっていました。これは、この20年間でメーカー製の多様化が進み、天文ファンの欲しいものが簡単に手に入るようになったからだと推測しています。また、インターネットの普及で海外の機材も入手しやすくなり、ますます選択肢が増えたからだと思います。

それでも今なお自作をされる方というのは、目指すところが相当高いところにあります。そういう機材と、そういう機材を作る人に出会えることを、今も楽しみにしています。

高剛性フリーストップ架台 売ります(1台限定)

【売約済み】2018.5.13

以前このブログで紹介した高剛性フリーストップ架台を1台限定で販売します。

内容は以下の通りです。

  • 伸縮式ピラー三脚
  • 経緯台ヘッド
  • ロスマンディ規格アリミゾ金具
  • キャリーバッグ
  • シーティングプレート
  • ウェイトシャフト(直径20ミリ)

デモ品であったため、外観に多少のこすれ傷があります。ただし機能上有害な傷や故障はありません。

価格は28万円(税込、送料込)です。

三脚のみ、経緯台ヘッドのみの単品販売はいたしません。

先日のブログでは「韓国ガレージメーカー製」と紹介しましたが、製作されたのは韓国の盧(ノ)さんという方です。最近まで日本に製品が入ってきていなかったので、日本ではほとんど知られていませんが、この方が製作する架台は”Noh’s Mount”(ノース・マウント)と呼ばれ、韓国の天文ファンの間では有名だそうです。

この製品を紹介してくれた知人によると、この盧さんはかつて韓国の財閥系企業で新製品の試作品を作る仕事に従事されていました。リタイアしたあと、そこで磨いたスキルを趣味の天文に生かそうと、望遠鏡用の架台を作り始めたそうです。金属部品はすべて自ら加工されていますが、そのレベルの高さは写真からもわかっていただけると思います。

また、写真での紹介はありませんが、ノース・マウントの経緯台ヘッドは内部に空間がほとんどありません。そのため、コンパクトながら高い剛性を実現しています。さらにフリクション(摩擦)調整の機構もユニークで、操作感がすばらしいです。普通のフリーストップ架台は、摩擦調整のハンドルと締めこんでいくと、ある時から急に摩擦が強くなります。ところがノース・マウントは締めこんだ量と摩擦力(=操作に必要な力)が比例する感覚があります。簡単に思われるかもしれませんが、実はこれはとても難しい技術です。作るのが簡単と思われがちなフリーストップ経緯台も、真面目に突き詰めればこうなるという見本のような製品です。

このノース・マウントは、最近アイベル様でも扱いを始めていらっしゃいます。今回販売するセットの経緯台ヘッドは、こちらの”M”タイプのプロトタイプ品です。ただし三脚との取り付けは異なります。取り付けの互換性はないのでご注意ください。

また、伸縮式ピラー三脚は、新品を入手したい場合は特注品扱いになります。ご希望の方はビノテクノへご注文ください。価格は25万円(税抜)になります。その他のノース・マウントもビノテクノで購入可能です。

購入ご希望または内容問い合わせはビノテクノまでご連絡を。