星をもとめて ご来訪お礼

9/23京都府るり渓で開催された星まつり『星をもとめて』に出店しました。ご来訪いただいたみなさま、ありがとうございました。

今回デモ展示したBLANCA-125SEDビノは予想以上に好評でした。とりわけ日没後の月面観望は、目の肥えたマニア様たちにもご満足いただけました。明るい対象でも色収差の出ないこの鏡筒はかなり優秀です。

 

9/23星をもとめて

以前このブログでお伝えした通り、9/23(日)から開催される星まつり『星をもとめて』(@京都)にビノテクノも出店します。持参するデモ機は、これも以前このブログで紹介したBLANCA-125SEDビノです。双眼望遠鏡に興味のある方、どうぞ気軽にお越しください。今回も特売品があります。

双眼装置より双眼望遠鏡の方がワクワクするワケ

よくいただく質問に「双眼望遠鏡と双眼装置の違いは?」があります。

どちらも両目で見るので片目より認識力は上がりますが、その上で「どっちがどうなの?」というのが上記の質問の趣旨です。

以前ブログにも書いた双眼望遠鏡のメリット、デメリットは以下の通りです。

[メリット]低倍率が出しやすい
[デメリット]コストが高い、大口径が作りにくい

双眼装置はこの逆です。でもこれだけでは質問者はすっきりしません。

「仮に口径も同等、倍率も同じだとすると、見え方も同じなの?」がおそらく本当に聞きたいことです。

実をいうとこの「口径が同等」は曲者で、口径面積が同等ということなら10センチ双眼とそのルート2倍の14センチ単眼+双眼装置ということになりますが、光学性能も同等となると事実上不可能で、客観的な比較ができません。

それでも自分の経験に照らせば「双眼望遠鏡の方がワクワクする」と私は答えます。

自宅ドームの25センチマクストフニュートン(単眼)を使う時は双眼装置を使いますが、双眼望遠鏡で感じるワクワク感を一度も感じたことがありません。もちろん、これで見る月面はなかなかの迫力ですが、なぜかワクワク感がありません。ところが10センチ双眼望遠鏡で月面を見ると、見えている情報量が少ないにも関わらずワクワク感があります。なぜだろうと私自身ずっと不思議に思っていました。

ところが最近、「これと同じかな?」と思える理屈を見つけました。それは天体写真です。

デジタル時代の天体写真は、何枚もの画像を重ねてS/N比を上げます。その際同じ画像を重ねることはしません。それではS/N比が上がらないからです。必ず違う時間に撮った写真を重ねます。そうすることでノイズを取り除き、対象の天体を浮かび上がらせます。

双眼装置の場合、同じ画像をコピーして左右の目に見せているので、両目で見ている安定感を除けば、それほどS/N比は上がりません。

一方双眼望遠鏡は、独立した光学系を通ってきた画像を両目で見ているので、左右の微妙な違いを脳が合成してS/N比を向上させます。この無意識のうちに行われる脳の合成がワクワク感の正体ではないかと思っています。

科学的根拠はありませんが、今のところ自分の中で一番腹落ちしている説明です。

BLANCA-125SEDビノ on AZ-EQ6GT

以前このブログで紹介したBLANCA-125SEDビノの、架台AZ-EQ6GTへの載せ方を変えてみました。

前回の載せ方は普通の片持ちでしたが、オーバーハング量が大きく転倒が心配でした。今回は写真のようにビノ本体が架台の真上に来るようにしました。

 

AZ-EQ6GTに取り付けてある黒い角柱は、工業用のアルミフレーム(断面サイズ120mm×40mm)です。バランスウェイトとウェイト軸は、AZ-EQ6GTの付属品をそのまま流用しました。したがって今回新たに用意したのはこのアルミフレームと、アリガタ金具、アリミゾ金具、3枚のサブプレートだけです。

架台本体とビノの間に割と大きな隙間があるのは、ビノが天頂を向いた際、架台本体から出ているケーブルと接触しないようにするためです。

総重量はカタログスペックをはるかに超えていますが、最高速でも無理なく動きます。重心が水平軸からそれほど離れていないため、転倒の不安もなくなりました。

ご覧になってわかるように、この載せ方は他の鏡筒ビノ、他の片持ち経緯台にも使えそうです。

BLANCA-125SEDビノ with ラージミラーEZM

以前紹介したラージミラーのEZMを使って、BLANCA-125SED(笠井トレーディング)の双眼望遠鏡を製作しました。

同じBLANCAの102SEDと比べると、125SEDはかなり大きくて重いです。そのため、クレードルに使用するガイドシャフトはワンランクサイズアップしてあります。鏡筒、クレードル、EZM、アイピースの総重量は約20キロになります(BLANCA-102SEDビノの約2倍)。

この写真ではスカイウオッチャーのAZ-EQ6GT架台に載せています。高速駆動は問題なく動くので、モータの負荷的には大丈夫ですが、見た目のバランスが悪く、転倒の不安があります。そのため、載せ方をもう一工夫する予定です。

EZMの第1ミラー(対物側ミラー)はラージサイズミラー(銀メッキ仕様)が組み込まれています。横シフト量を確保するため、第1ミラーボックスと第2ミラーボックスの間にスペーサが追加してあります。

笠井トレーディングのHPでも「裏技情報」として紹介されていますが、BLANCA-125SEDは鏡筒本体と接眼部の間の延長筒を外すことでバックフォーカスが約60ミリ追加されます。もちろんこのビノもその延長筒は外してあります。このため、写真に写っているナグラータイプ4-22mmを使った場合でもまだピントに40ミリ近く余裕があります。

ちなみにこのビノはデモ品です。諸般の事情で「胎内星まつり」(8/24-26)にはお見せできませんが、「星をもとめて」(9/23-24)と「北八ヶ岳小海・星と自然のフェスタ」(10/12-14)に持ち込んで見ていただく予定です。

ラージミラーEZM まもなくリリース

13センチクラス用を想定したラージミラーEZMがまもなく完成します。

現在販売中のEZM3535-※は、第1ミラー(対物側ミラー)、第2ミラー(アイピース側ミラー)とも有効径35mmのミラーを使っていますが、近日中に完成するラージミラーEZMは、第1ミラーに有効径50mm、第2ミラーに有効径35mのミラーを使います。反射面は銀メッキです。

上の写真は、左側が現行EZMの第1ミラーボックス、右側がラージサイズEZMの第1ミラーボックスになります。金属ケースは同じサイズです。元々この第1ミラーボックスの金属部品は、ラージサイズミラーを想定して、余裕のあるサイズにしてありました。

このラージサイズEZMの最初の適用予定鏡筒は、バックフォーカスに余裕のある、笠井トレーディングのBLANCA-125SEDです。

ユーザーレポート(BINO-BLANCA102)

BINO-BLANCA102をご購入いただいた「ひいひ様」から、ファーストライトのレポートをいただいたので紹介させていただきます。

7/14日の土曜日から日曜日の早朝まで御社の双眼望遠鏡のファーストライトをしました。各惑星をはじめ広角アイピースでみた夜空は天体観測というより宇宙観望と呼ぶにふさわしいなんとも素晴らしい見え味でした。
また目幅調整が簡単で多くの方に見てもらえて喜んでいただきました。
特に午前2時頃にみたアンドロメダ銀河は圧巻で周りの星から浮き出るように見えたその姿は言葉になりませんでした。

ひいひ様の奥様が描かれた素敵なイラストも併せて紹介させていただきます。

タカハシFC-100DFビノ

納品直前のタカハシFC-100DFビノです。お客様の了解をいただいて、HPの『写真紹介』ページに紹介させていただきました。

この鏡筒(D=100mm, f=740mm)は、鏡筒の短縮加工なしでピントが出ます。F7.4で、長すぎず、短すぎず、ビノに適した鏡筒です。

クレードルは鏡筒径を95mmに合わせた特注品です。

 

Capri102EDビノ デモ機売ります(1台)

※ 売約済み(2018.06.28)

Capri102EDビノのデモ機(1台)を処分販売します。

価格は 380,000円(税込、送料含む) です。購入ご希望の方はビノテクノへメールでご連絡ください。

主なスペックは以下の通りです。

  • 鏡筒 :笠井トレーディング Capri102SED(D102mmF7)
  • 正立ミラー :ビノテクノ製EZM アルミメッキミラー
  • クレードル :ビノテクノ製CRDL-CAPRI102
  • 付属品 :ロスマンディ規格アリガタ金具,パン棒

目立った傷はありません。現状渡しです。

※ 参考 :新品価格 540,000円(税込)

BLANCA-60SEDビノ デモ機売ります(1台)

※ 買い手が見つからないため、いったん販売を取り下げます(2018.6.24)

以前このブログで紹介したBLANCA-60SEDビノのデモ機(1台)を処分販売します。

価格は 220,000円(税込、送料含む) です。購入ご希望の方はビノテクノへメールでご連絡ください。

主なスペックは以下の通りです。

  • 鏡筒 :笠井トレーディング BLANCA-60SED(D60mmF6,FPL-53使用2枚玉EDアポクロマート)
  • 正立ミラー :ビノテクノ製EZM アルミメッキミラー
  • 使用可能アイピース :アメリカンサイズのみ
  • 目幅調整 :鏡筒下のアリミゾ金具を緩めて水平移動させる簡易式
  • アリガタプレート :ビクセン規格

※ 現状渡しです。これをベースにした改造のご依頼はご容赦ください。

  • アイピースはテレビュー・パンオプティック24mm(別売)
  • アーム式経緯台&アリミゾ金具はノースマウント(別売)

BLANCA-60SEDビノ アイベル様にて展示中

先日このブログで紹介したBLANCA-60SEDビノを、三重県津市の天体望遠鏡ショップ・アイベル様へお願いして、1か月ほど店内に展示させていただくことにしました。アイベル様へお立ち寄りの際はぜひご覧ください。

前回のブログに書いたバックフォーカス不足は、結局アイピーススリーブをアメリカンサイズ専用とすることで解消させました。したがって2インチサイズのアイピースは使えません。

展示中の反応を見て正式に販売するかどうかを決めます。販売価格は298,000円(税抜)を予定しています。アイピースや架台は付属しません(L字の金具は付属します)。

ちなみに、写真に写っているアイピースは北軽井沢観測所製RPL25mm、架台はアイベルオリジナルのAPZ・PORTA経緯台です。

「6センチの双眼鏡で30万円は高すぎる!」と思われる方がいることは重々承知していますが、実際に覗いていただければその価値が理解していただけると思います。手持ち双眼鏡とは別次元の見え方です。

BLANCA-60SEDビノ試作中

こういうのもおもしろいかと思って作ってみました。

鏡筒は笠井トレーディングのBLANCA-60SED、クレードルはビクセン規格のアリガタプレート(特注品)を2本L型に組み合わせただけの構造です。

目幅調整は片方のアリミゾプレートを緩め、アリガタプレートに沿って動かします。アリミゾプレートを緩めても、鏡筒が落下することはありません。

目幅調整中一時的に左右の光軸が合わなくなりますが、アリミゾプレートを締め直すと復元します。複数の人が代わる代わる見る観望会には向きませんが、基本的に一人で見るパーソナルな使い方ならこれで十分です。鏡筒が軽いことを利用して、このように割り切った構造を考えてみました。

写真に写っているアイピースはテレビューのパンオプティック24mm。対物レンズの焦点距離は360mmなので倍率は15倍。高性能の対物レンズにとってこの程度の倍率なら星像は当然のように針点像です。実視野は約4.5度でオリオンの三つ星が余裕ですべて入ります。

先週末郊外で使ってみましたが、ぎょしゃ座の散開星団M38-M36-M37から、天の川に沿ってM35あたりまで流してみると、ある意味当たり前ですが、手持ち双眼鏡では味わえない迫力がありました。口径が6センチなので、星団が濃いです。このときの架台は笠井のAZ-3を使いましたが、ビクセンのポルタ経緯台でも使えます。

ただしこのビノ、ひとつ問題があります。BLANCA-60SEDのバックフォーカスがEZMの光路長とほぼ同じなので、ピントに余裕がありません。パンオプティック24mmは焦点位置がアイピース突き当て面から対物レンズ側に寄っているので使えましたが、焦点位置が突き当て面付近にあるといわれているプルーセルを含めて、ほとんどのアイピースが使えませんでした。特に2インチアイピースは焦点位置がアイピース側に寄っているものが多いです。

この企画が受けるかどうか未知数なので商品化するかどうか決めかねていますが、仮に商品化する場合はEZMをアメリカンサイズ専用にして光路長に余裕を持たせようと考えています。