CRDL-mini(小型簡易クレードル)の微動ステージ機構

先日発売を開始したCRDL-mini(小型簡易クレードル)の微動ステージ機構(鏡筒の平行調整用)について、ある方から「どうやって2枚のプレートだけで上下と左右の調整を行っているのか?」というご質問をいただきました。鋭いご質問です。

ベタに考えれば一番下にベースプレート(基準プレート)、その上に上下揺動プレート、さらにその上に左右スイングプレートの3枚必要です(上下と左右の順番は逆でも可)。ところがそうしてしまうと、この部分の厚みが増して、クレードルが大柄になってしまいます。それを避けるため、工夫を加えて2枚で済むようにしました。

その工夫の内容を、写真で紹介させていただきます。


まずは鏡筒を取り付けるためのアリミゾ金具を外した状態です。


さらに上のプレートを外した状態です。見えているのがベースプレートです。両サイドに載っているのは鋼球(スチールボール)です。この鋼球は円弧状の彫り込みに収まっています。


この写真は、上のプレートを裏面から見たものです。両サイドのすり鉢状の彫り込みが、上述の鋼球を上から保持します。左右の微調整ノブを回すと鋼球はベースプレートの円弧状の彫り込みに沿って動くので、上のプレートはその円弧中心を仮想中心としてスイングします。

さらに上下調整ノブを回すと、今度は鋼球を支点にして上のプレートが揺動します。

つまり今回の工夫は、上下2枚のプレートの間に2個の鋼球をはさみ、さらにその鋼球の軌道を円弧状にしたことです。この工夫で、この機構は2枚のプレートで済んでいます。


最後に上下調整用ノブに仕込んであるパーツも紹介しておきます。写真の左端から、左2枚が球面座金(凸と凹)、次の3枚がスラストベアリング、次がスペーサー、最後がノブ本体です。スラストベアリングがあるおかげで、ロック状態からアンロックする操作がとてもやりやすくなっています。