60mmEDビノ 試作機完成

以前設計途中で紹介したビノの試作機が完成しました。

鏡筒はSolomon 60EDP(アイベル)です。諸般の事情でアルミパーツの色や形状が設計時と少し異なっています。アルカスイスプレートを使ったパン棒や、運搬用のグリップも用意しましたが、実際に使ってみるとそれほど使い勝手が良くないので取り外しました。架台への取り付けはビクセン規格のアリガタレール(三基光学館製)です。写真ではわかりませんが、EZMを取り付けるための2インチアイピースホルダ厚みを1.5mm削ったおかげで、マスヤマのアイピースのピントが出るようになりました(ピント余裕約1ミリ!)。

対物レンズ側から撮った写真です。向かって左側の鏡筒下のつまみネジ2個を緩めると、左側の鏡筒が左右に動かせます。以前のブログに書いたとおり、目幅調整の使い勝手はよくありません。基本的にはオーナー専用です。

架台に固定するためのアリガタ金具は鏡筒バンドに取り付けてあります。マスヤマのアイピース(20mm)を使う場合、この写真ぐらいの状態で前後のバランスが取れます。

フードを収納するとこんな感じです。とてもコンパクトになります。

ちょうど今日、プレアデスと金星の最接近があり、このビノで見てみました。18倍はこの対物レンズにとって楽勝の倍率で、プレアデスの星々が小気味良く点像になります。月齢10の月面も、クレーターが密集しているエリアは、低倍率とは思えないほどカリカリ感があります。手持ち双眼鏡の場合通常10倍ぐらいまでなので、10倍オーバーから20倍ぐらいでみる双眼体験は意外と少ないです。これでいて座の天の川あたりを見たらさぞ楽しいだろうなと思いました。

さて肝心の販売ですが、パーツ調達がこれからになるので、発売は3ヶ月後ぐらいです。価格は今のところ27万円(税抜)を超えることはない見込みです。